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2015年09月08日

機能性表示食品の安全性・品質を考察(3)

(一社)日本健康食品規格協会 理事長 池田 秀子 氏

 

<原材料の品質確保と同一性確認>

 機能性表示食品の安全性確保には、原材料の品質と安全性が極めて重要だ。品質確保に係る届出資料をその観点から見ることは興味深い。まず、届出資料には最終製品の製造者に関する情報を記載する。消費者庁の検討会報告書で、「サプリメント形状の加工食品には、GMPが強く推奨される」と明記されたことは記憶に新しい。

 届出書類を見ると、いまだサプリメント形状の製品でGMPを採用していない企業も若干あるが、ほとんどはGMP対応済みである。製造所には国内GMPと米国FDA cGMPだけでなく、ISO22000などにも対応している施設もかなりあり、その管理維持に相当のエネルギーを費やしていると思われる。

 「なぜGMPが義務化されないのか」という声をよく聞くが、GMPを特定の食品カテゴリーに要求する必然性を持った法制度がない限り、義務化は困難だろう。いずれにしても、我が国の現状では、製造企業は顧客の要望や国内外の状況に合わせて、いくつかの品質管理システムを混在させることも止むを得ない。

 原材料の品質管理に話を戻すと、FDA cGMPでは、サプリメント製造に使用する機能性成分、これを米国では「ダイエタリー成分」(dietary ingredient)と呼ぶが、その成分(原材料)の同一性を証明するために、製造業者は最低1つ以上の試験を原材料のロット毎に実施しなければならない。これはFDA cGMPのなかでも最も重要で厳しい要件として知られている。国内の製造業者も、cGMP対応を行う以上はこの要件を満たさなければならない。

 届出資料の別紙(III-3)の原材料および分析に関する資料には、「(5)届出後における分析の実施に関する資料(原材料の基原の確認方法および製品の崩壊性試験などを実施する場合、その方法および頻度)」の記載欄がある。崩壊性については検討会で、健康食品には非常に崩壊性の悪い錠剤状の製品が多々あり、約50%の製品で崩壊性に問題が見られたと指摘されたため、機能性表示食品のガイドラインでは崩壊性試験の実施がほぼ必須の取り扱いとされた。従って、届出資料を見ると、崩壊性についてはほぼすべての商品で対応されているようである。

 原材料の話に戻るが、製品の安全性確保でより重要な「原料の基原の確認方法とその頻度」について記載されている製品は少ない。ここでcGMPに対応している製造業者の場合には、この部分に「ロット毎に」理化学的試験などを実施している旨が誇らしげに記載されており、さすがと言える。国内のGMPもこうしたcGMPの要求事項を勘案し、将来に向けて、さらに一歩進んだ対応を開始すべき時期に来たと考えられる。

 とは言え、ロット毎に原材料の同一性確認を行うcGMPの方法はかなり困難をともなうことも事実。どの製造施設も分析試験の実施が可能なわけではない。可能でなければ、分析を第三者に委託することになるが、この方法では時間的、経済的問題も生じてくる。

 本来あるべき姿は、原材料メーカーが自社の原材料の品質を確実に保証することである。そのためには、原材料メーカーの品質管理システム(Quality Management System)を第三者が認証し、原材料の品質が保証されれば、当該原材料についてFDAはcGMPの同一性試験の対象外とする考えも有しているようである。この取り組みこそ、当協会が10年前に開始した「原材料GMP」の目指すところであった。

 機能性表示食品の原材料の取り扱いに関する届出書類には、今はまだ原材料GMPの考え方は導入されていないが、次の制度見直しの段階までに、原材料GMPがさらに進展することを期待したい。

(了)

 

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