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2015年09月03日

機能性表示食品の安全性・品質を考察(1)

(一社)日本健康食品規格協会 理事長 池田 秀子 氏

 機能性表示食品制度は、科学的エビデンスに基づいて事業者の判断で機能性表示を可能にすることから、その前提条件として安全性の確保が最優先される。対象製品の事前届出と情報公開の仕組みは、機能性だけでなく安全性確保の面でも極めて重要な役割を果たす。消費者庁による受理件数はまだ80品目弱(2015年8月末現在)であるが、当初の狙い通り、安全性重視の制度になっているかどうかを確認してみる。

<食経験の評価は丁寧かつ慎重に>
 機能性表示食品の安全性確保の最初のステップは、喫食実績の有無である。もし、当該製品または機能性関与成分の食経験が十分であると説明可能であれば、それ以上の安全性については、医薬品または機能性成分同士の相互作用の確認を除けば、それ以上の情報収集などは不要としている。

 いくつかの届出情報を見ると、錠剤・カプセル状などの「サプリメント形状の加工食品」とされた製品群では、かなり大胆な判断がなされている例が目に付く。例えば、わずか2~3年の販売期間で2~3万個の販売数から、食経験が十分であるとして済ませている製品がある。

 食経験は、多くの人がこれを摂取したときに、また長期間摂取したとしても安全であるかどうかを判断するための最も基本となる情報になるわけだが、わずか2~3万個では、摂取者の数が極めて限られていると言うべきではないだろうか。私の経験では、医薬品開発の場合、新薬が承認された後の市販後調査で、10万人に1人が発現するかもしれない副作用を確認できるだけのデータ収集が必要だった。医薬品と食品成分を比較すべきではないが、もし食品の販売数が2万個で、1人がその製品を平均3個購入していたとするなら、購入者数は6,700人程度にしかならない。これで十分な食経験があると判断して良いだろうか。

 食経験の判断の仕方やレベルは、各社さまざまである。次の制度見直しの議論では、恐らく避けられないテーマの1つになると考えられる。濃縮物・抽出物を使用していることから、食経験の評価について、その説明の仕方や内容がもう少し丁寧でかつ慎重であることが必要と思われる。

 さて、食経験が不十分な場合には、さらなる情報収集として公的機関のデータベースを利用したり、1次情報を収集したりすることになっているが、前述のように、多くの製品で簡単に食経験が十分と評価されており、これらの情報収集まで行っている企業は少ない。しかし、なかには毒性情報に特化したデータベース、たとえばRTECなども対象に情報を検索し、これらのデータと販売実績を併せて説明している企業もある。見習いたい例である。

(つづく)

 

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