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2015年08月19日

機能性表示食品の「食経験」情報(前)

機能性表示食品の届出情報を見ると、食経験によって安全性を評価した商品が多い。そのなかには、消費者団体から「摂取期間が短すぎる」などの疑義が出ているものもある。食経験による安全性評価のあり方を考える。

<1年前後の喫食実績による評価も>
 機能性表示食品は、食経験の有無によって安全性評価を終えることができる。この点では、特定保健用食品(トクホ)と比べてハードルが低い。

 消費者庁の届出ガイドラインによると、食経験は届け出る最終商品、または類似食品の喫食実績によって評価。喫食実績に基づく食経験が不十分な場合には、既存情報を用いて評価する。

 各社が届け出た食経験情報は、喫食実績が20年を超すものから1年未満のものまでと幅広い。ガイドラインでは、十分な食経験があると判断するために必要な摂取期間を定めていない。このため、喫食実績が短期間であっても、それだけでガイドライン違反とはならない。

 これに対し、食の安全・監視市民委員会は消費者庁に疑義情報を提出。そのなかで、「食経験1年未満というのはあまりにも短すぎます。届出事業者に対して、ほかのより長期的な食経験を判断できる根拠、または安全性試験のデータの提出を求めるべきです」と要請した。

 事例を挙げながら、この問題を考える。まずは、ロート製薬(株)のサプリメント『ロートV5粒』。届出情報によると、関与成分(ルテインとゼアキサンチン)のうち、ルテインについては日本で1999年から200商品以上のサプリメントで使用され、届出商品と同量または同量以上が含有されているものも10商品以上あるという。一方、ゼアキサンチンについては、日本で2014年からサプリメント成分として販売され、そのうち2商品は届出商品と同量または同量以上が含まれていると報告した。

 ルテインは一定期間、喫食されてきたが、ゼアキサンチンを含むサプリメントの喫食は14年に始まったばかり。そこで記者は、食経験の期間が短いのではないかと同社に質問した。

 ロート製薬(株)の見解はどうか。同社から次のような回答が寄せられた。
 「ゼアキサンチンの日本での販売期間につきましては、確かに2014年からとなりルテインと比べますと、国内での実績は若干短い原料となりますが、アメリカ、ヨーロッパでは2012年から販売されてきた実績があり、また国内においても、弊社製品以上の配合濃度での実績があり、有害事象の報告もされていないこと、もともと天然成分に由来する成分であることから、十分に安全性を評価できるものと考えております」。

<「それなりの期間」が共通認識>
 消費者庁の検討会でも、食経験による安全性評価のあり方が議論された。だが、どのくらいの期間摂取すれば十分な食経験があると言えるのか、その線引きは困難だった。検討会で消費者庁の担当課は、次のように説明した。
 「全国規模で一般的に(国民の)皆さんが知っていて、普通に食べられている、売られている、それなりの期間摂取されているといったようなところが、定性的に委員の皆様と基準を共有できると思う」。

 検討会委員からは、「(アマメシバについて)現地では普通に庭に生えているアマメシバを取ってきて食べるというような食経験だったが、それを乾燥させて粉末にしてジュースに入れて飲むとか、牛乳に入れて飲むという食経験はなかった。だから、そこには食経験があるとは多分言わない」(合田委員)との指摘も。また、「ある、ないということを食経験で言うことはできない。食経験は程度」(清水委員)などの考え方が示された。

 記者も検討会を傍聴した。摂取期間の線引きが困難という認識はあったものの、「それなりの期間」を前提に議論されたと考えている。その当時、まさか1年程度の食経験による評価結果が届け出されるとは予想できなかった。

(つづく)
【木村 祐作】

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