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2015年11月13日

機能性表示食品って何?~原料3社が「疑義」に迫る(2)

<企業姿勢が問われるレビューの引用>
 司会 同等性の問題について議論したい。

 橋本 非常に大切な問題で、これについては安全性の問題も関わってくると思う。弊社は、同等性や同一性の問題は非常に大事なことだと考えている。なぜかというと、安全性の問題についても出てきたが、要は、医師はジェネリックあるいはそうでないものについて、機能性だけを見ているのではなく、安全性の部分についても同じレベルで見ている。機能性があるということは、それだけ安全性についても気を付けなければならないということになる。そのような表裏一体の関係というのは実際にあると思う。

sannninn.jpg 弊社の場合は、臨床試験を行った成分は自信を持って主張することが必要という考え方。摂取量についても、機能性プラス安全性で問題がなかったことを同時に保証できることが大事で、科学的に同一であることが証明されていることが重要だろう。

 ブルーベリーの成分を用いた受理商品などで同等性が問題になった。自分の会社でせっかくエビデンスを取ったにもかかわらず、最終的に安価な原料で、何となく成分が似たようなものが研究レビューで評価され、いかにも同じような装いで他社から商品が出てくれば、今までの自分たちの主張が崩れてしまうので困るという理由から、ある販売会社は新制度へのトライを控えている。現実の問題としてこういうケースが出てくる。

 だからといって、同一性や同等性の問題が主張されたときに、それはいけないと真っ向から反論しても、消費者レベルではなかなかわかりにくいだろう。最終的には、販社の倫理的な部分につながっていくのかなと思う。我々としては、「同一と言っているわけではなく、同等だと言っているのでいいじゃないか」と言われてしまえば、反論はできない。弊社は、そういう考えを持つ企業とはズレを感じるので、積極的にはサポートしにくいと考えている。

 司会 ケミンさんの場合、自社の論文がほかで利用されて、自社の原料を用いない商品として受理されたケースがあるのか。

 橋本 研究レビューの場合は1つの論文だけで最後までやっている商品も現実にはあり、それは同一性・同等性を弊社が担保しているが、それを使ってほかで受理された商品というものはない。そうではなくて、いくつもある論文が選択されて、そのなかの一部に弊社の原料が使われているというものはあるかもしれない。
 また、いくつかある論文のなかの1つとして研究レビューに利用され、まとめられて受理されたというものはある。そういう場合、同等性・同一性がどこまで追求できるのかがわからないので、不問とせざるを得ない。

  原料サプライヤーとして、そのあたりは二面性を持たざるを得ない。企業として我々が行っている研究が正しい、きちんと機能性があると証明するためには、研究の結果を論文投稿する。さらに査読のある、しかるべき雑誌に掲載されれば我々の主張は正しかったということになる。それは結果的に、公の論文に生まれ変わることになるため、「我々の研究結果だから使わないでくれ」と言うこともなかなか難しい。

 論文に限れば、我々は防ぎようがないが、仮に研究レビュー自体をほぼ丸写しされ、届出された場合は話が異なってくると思う。見た目上、似通っているのは仕方がないと思うが、それを100パーセント近く真似しているとなると、それは研究レビューを実施したのではなくコピーしたということ。そう言う届出はどういうものかと思う。それは企業の倫理的な姿勢に関わる問題ではないか。

 今のところ新制度がスタートしたばかりの時期で、市場には競争原理が働いていないと見ている。新たに市販された機能性表示食品は差し当たり売れるかもしれないが、同等の機能性関与成分を含有した商品がたくさん出てきたときに、企業姿勢が問われるような会社で作られた商品は、消費者の公平公正な選択によって淘汰されていくのではないか。ぜひそうあってほしいと願っている。ただし、今は過渡期の段階にあるため、疑義を受けていたずらに騒ぎを大きくし、市場を縮小させたくない。それより、新制度の認知を上げて、消費者に知らしめていく方向で進めたい。

takaoterasi.jpg 高尾 BCAA(分岐鎖アミノ酸/バリン・ロイシン・イソロイシン)を例に上げてみる。3つの分岐鎖アミノ酸の1つがあって、規格基準が定まっている。このような成分の1つを扱う場合に、自社の研究のほか、他社の研究を適切に利用させていただくとした上で、それをさらに第三者が同じ考察をするということに関しては堂々とやればよい。
 ただし、論文の考察や結論のとおりに情報を理解してほしいのと、規格基準が決まっている成分に対する評価なので、品質管理を正しくしてほしい。表示された機能性表示食品というものを販売していくなかで、GMPなど品質管理の観点も含めて正しく行えば、おそらく大きな問題にはならないだろう。

 ところが、ルテインなど天然由来添加物の場合は、規格基準だけで機能性・安全性は保証されていない。とくに安全性の部分に関しては、はたして他人の研究が当てはまるかどうか、大きな問題だ。
 ケミンさんが扱っているGRAS原材料「ルテイン」が、一定の製造実績と市販実績が確立されている成分であることを考慮し、JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)においてGRASルテインに対する安全性に関する評議が行われ、ケミンさんが主張するルテインに関する品質条件を対象に結論が導かれた。一方、その条件を考慮しないで、ルテインという名称だけを理由としてGRASルテインに対する安全性評価を(届出情報として)転用するのは、論理的におかしいのではないか。名前が同一であることをもって同等であるというのは大いに問題があると思う。

 機能性と安全性を同時に考えなければならないのは当然のことで、20ミリグラムを超えた摂取についてどう考えるかとか、ルテインについての考え方に限界があるなかで、「由来がわからない」、「製造方法もわからない」、「不純物の含有量が定まっていない」――だが、ルテインの含有量だけは12ミリグラム以上であるものに対して、安全性のアセスメントを引用して同等であるというのは、これは科学的解釈とは言わないのではないか。ひょっとしたら同等なものかもしれないが、それが届出資料からは誰もわからないし、違うのではないかと指摘する主張が存在しているなかで、ここに水面下の問題が出ている。さらに生薬としてプラセボ対比試験された成分では、無理やり指定した機能性関与成分の部分以外では同等とはならない。ところが、同一性ではない、つまり同等性だ、などとかなり乱暴な論調もある。

 生薬として考えると同等でないにもかかわらず、論文を引用されたインデナ社(イタリア)は、ビルベリーの研究を長年行っており、成功しなかった否定的な研究も相当数見てきているなかで、規格や摂取条件などいろいろなものに制限をかけて発見を行い、医薬品として開発している。その上で、さらに特定のものに関する検証を行うレベルの研究を出している。この時点では、附帯条件になっているさまざまな改良とか規格というものについて、医薬品メーカーである彼らだけが知っているものがあって、もし彼らが第三者の商品が「同等でない」ということを言うのであれば、それなりに受け止めて考える必要がある。それでも同等性を主張するのであれば、(言われた側は)とことんまで同等であることを証明するか、あるいは自分らで研究すればいいじゃないかということになる。 

 橋本 そのとおり。結局、最初の原理原則である「消費者のため」という点を考えた場合は流用もできないし、同一でないにしても、同等性を議論するのであれば、純度が規格基準に合っているかどうかなど、最低守らなければならないルールというものがある。それを飛び越えたり、捻じ曲げて届出をすることが消費者のためになるかというと、それは違うと思う。倫理的な問題以上の問題ではないかと思う。

 ガイドラインでは、そのようなところをきちんと見てくださいというふうに言っており、イコール消費者を守るということをやっているわけなのだから。当然、私どもメーカーとしては、そういう点はマーケティングポイントとして主張するけれども、消費者は詳しいことはわからないわけだから、誤認してしまう。消費者は同じような商品で一方が安ければそれを買ってしまうだろう。

(つづく)

【文:田代 宏】

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