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2015年04月30日

機能性表示食品『蹴脂粒』をめぐる問題(前)

<食安委「提出資料からは安全性が確認できない」>
 機能性表示食品として受理されたサプリメント『蹴脂粒』((株)リコム)の安全性をめぐって、騒動が持ち上がった。『蹴脂粒』問題は、機能性表示食品制度の行方を左右する要素も内包している。問題点を考察する。

 機能性表示食品の届出情報をみると、『蹴脂粒』の関与成分はキトグルカン(エノキタケ抽出物)。「体脂肪(内臓脂肪)を減少させる働きがあります。体脂肪が気になる方、肥満気味の方に適しています」と表示する。

 その一方で、同商品は特定保健用食品(トクホ)にも申請中。現在、食品安全委員会で安全性評価を行っている。2月3日の食品安全員会で、新開発食品専門調査会が「安全性を評価することはできない」とする審議結果を報告した。リコムが申請した臨床試験の結果では、有害事象は出なかったとしている。しかし、同調査会は作用機序に関するデータが不十分などと指摘。「提出された資料からは安全性が確認できない」と判断した。

 トクホ審査は、まず消費者委員会の新開発食品評価調査会で作用機序と機能性を確認。その結果を踏まえて、食品安全委員会が安全性を評価する。つまり、消費者委員会が確認した作用機序を前提に安全性を評価することになる。

 食品安全委員会の「評価書(案)」のポイントを見る。細菌を用いた復帰突然変異試験、ラットを用いた単回強制経口投与試験、ヒト試験のそれぞれで問題は認められなかった。しかし、90日間反復強制経口投与試験はマウスの飼育環境が不適切だった可能性が指摘され、試験結果を安全性評価に使用できないと判断された。作用機序(脂肪細胞に対するβ3アドレナリン受容体刺激作用)についても、生体内でそのとおりに作用していると判断するためのデータが不十分とした。
 食品安全委員会によると、「今回の作用機序を前提とした場合、医薬品で見られる循環器系などへの副作用が否定できない。申請者はヒト試験によって安全性を確認したとしているが、被験者数が少ないことなどから評価できないと判断した」という。

 消費者団体などは、トクホの安全性評価で指摘された商品を機能性表示食品として受理したことを批判。同様の観点から、マスコミ各社もこの問題を報じている。

(つづく)
【木村 祐作】

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