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2016年02月16日

機能性表示食品「関与成分検討会」、論点を議論(前)

制度の対象とする関与成分の拡大に慎重な意見が相次いだ

制度の対象とする関与成分の拡大に慎重な意見が相次いだ

 消費者庁は16日、「機能性表示食品制度における機能性関与成分の取扱い等に関する検討会」の第2回会合を都内で開き、機能性表示食品制度にビタミン・ミネラルなどの栄養成分や、関与成分が不明な食品を追加するかどうかについて議論した。出席した委員の多くが、制度の対象とする関与成分の拡大に慎重な姿勢を示した。

 

<ビタミン・ミネラル、問われる「意義」>

 前回の初会合で出された各委員の意見をもとに、消費者庁は論点を整理。食事摂取基準に基準が設けられている栄養成分(ビタミン・ミネラルなど)については、(1)制度の対象とする意義、(2)安全性の確保、(3)機能性表示、(4)国の関与――を論点に挙げた。

 国の栄養政策で必要なビタミン・ミネラルなどの栄養成分については、栄養機能食品によって機能性表示を行っている。特定保健用食品(トクホ)では疾病リスクの低減を表示できる仕組みがある。さらに、機能性表示食品でも「たんぱく質」を構成するアミノ酸やペプチドなど、一部の栄養素については構成成分を対象としている。そうした現状を踏まえ、ビタミン・ミネラルなどを機能性表示食品制度の対象とする必要性があるかどうかを議論する。

 安全性の確保では、栄養成分の過剰摂取を避けることを重視。栄養機能食品の「上限量」や食事摂取基準の「耐容上限量」との関係が議論のポイントとなる。これに加えて、食品安全委員会が昨年12月に公表した「いわゆる『健康食品』に関する報告書」で、ビタミンA・Dや微量ミネラルなどの過剰摂取の問題が指摘されたことも念頭に置きながら検討する。

 機能性表示については、栄養機能食品の表示内容や、食事摂取基準で定める量・機能と異なる表示を行うことによって、消費者が混乱する可能性を考える方針が示された。

 

<業界以外の委員は関与成分の拡大に“待った”>

 森田満樹委員(消費生活コンサルタント)はビタミン・ミネラルなどについて、「これらの栄養成分を対象とした場合、1報の査読付き論文によって新たな機能性が届け出される。食事摂取基準に基づく栄養機能食品とかけ離れた機能性表示が並ぶと、消費者は誤認する」と懸念を表明。梅垣敬三委員(国立健康・栄養研究所情報センター長)も、「栄養機能食品でさえ理解されておらず、『栄養機能食品(ビタミンC)』としながらコラーゲンを表示するなど、(本来の姿と)乖離している。現状の問題を改善せずに進めれば、(企業が商品を)売るための制度となり、せっかく作った制度がまったく意味を持たなくなる」と厳しい口調で語った。

 ビタミン・ミネラルなどを制度の対象に追加することに反対する意見は続いた。迫和子委員(日本栄養士会専務理事)は、「食事摂取基準を逸脱した摂取が横行すると、大きな問題となる」と述べ、国の食事摂取基準と機能性表示食品制度の整合性を取るように求めた。

 一方、業界側からは「(消費者間で)ビタミン・ミネラルの摂取基準を知っていて、普段の食べ物から満たしているという話は聞かない。消費者の知る権利、選ぶ権利を担保することも大切」(宗像守委員・日本チェーンドラッグストア協会事務総長)という意見が聞かれた。

 これに対して、佐々木敏委員(東京大学大学院教授)は「本来、国民に(食事摂取基準を)知ってもらって、食べてもらうことが本筋。まずはそこから始めて、機能性の議論はその後に行うべきである。食事摂取基準が先で、その次に食品の3次機能がある」と反論。吉田宗弘委員(関西大学教授)も「3次機能は溢れていて、消費者の知る権利は十分すぎるくらいに担保されている」と指摘した。

 座長の寺本民生委員(帝京大学臨床研究センター長)も「食事摂取基準はもっとも大切なもので、食育にも関わる」と述べるなど、業界代表を除くほとんどの委員は、ビタミン・ミネラルなどを制度の対象に加えることに慎重な姿勢を示した。

(つづく)

【木村 祐作】

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