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2016年02月16日

機能性表示食品「関与成分検討会」、論点を議論(後)

<議論を深められない業界代表委員>

【解説】

 2013年12月~14年7月まで開催された前回の検討会は、白紙の画用紙に設計図を描く作業だった。振り返ると、前回は消費者庁が主導権を握っていたと言える。消費者庁が提示した高度な制度設計に対し、業界代表委員は「反対」または「賛成」の意思表示を示すことで、とりあえず議論の体裁を保つことができた。

16日に開かれた第2回検討会の様子

16日に開かれた第2回検討会の様子

 しかし、今回の「関与成分検討会」は事情が異なる。既に動き出している制度に、プラスするという作業になる。また、政府の決定で具体的な方向性が明記されたわけでもない。10回にわたる検討会を開く以上、何らかの答えを導き出すことになると考えられるが、その内容は今後の議論にかかっている。

 これまでの会合を傍聴した限り、業界代表委員は本質的な議論を展開できていないようだ。今回の第2回会合でも、論点を深めるような意見はほとんど聞かれなかった。宗像守委員(日本チェーンドラッグストア協会事務総長)は「企業の責任を明確にしてほしい」と求めたが、機能性表示食品制度では全面的に企業責任が問われることは今さら聞くまでもない話だ。寺本座長が「責任はすべて企業にあったと思う。それゆえに、国は届出制度とした」と説明したとおりである。

 また、宮島和美委員(日本通信販売協会理事)は自社の情報開示の現状を説明したり、インターネットが大きな情報源となっていることや、多角的に安全性を考えるべきなどと発言したりしたが、消費者庁が示した論点に切り込むような話ではなかった。幾人ものサポートメンバーを引き連れて出席した関口洋一委員(健康食品産業協議会会長)も、積極的に方策を提言する姿勢は最後まで見られなかった。

 業界が要望した積み残し課題を検討する以上、まず業界代表委員が積極的に方策を提示するのが筋と言える。その上で議論した結果、佐々木委員や合田委員、吉田委員、迫委員といったアカデミア代表委員や、森田委員、河野委員などの消費者代表委員の支持を得られなかった場合には、要望を断念するのがルールである。

 今回の検討会は、国の健康・栄養政策や国民の安全性確保に直結する課題を扱う。どこまでもサイエンスベースで議論することが求められる。業界代表委員は「消費者の知る権利」「選択する権利」を錦の旗に抽象論を繰り返すが、それでは議論にならないし、ほかの委員を説得することもできそうにない。もし、科学的な視点で討議することが困難ならば、今回の検討会は場違いと言えるだろう。

 健康食品業界は政治家に泣きつくことが得意、という話を耳にすることがある。きっと業界内には、そのような行動を取る関係者もいるのだろう。だが、オープンな検討会の場で、アカデミア代表委員や消費者代表委員の理解を得られるような方策を提言し、施策に反映させるプロセスこそが、各方面の信頼を得て機能性表示食品制度を永続的に発展させる唯一の方法と思われる。

(了)

【木村 祐作】

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