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2015年11月26日

機能性表示食品「届出情報」を考える(前)

 消費者庁に受理された機能性表示食品の届出は150件に迫っている。受理され始めた当初、届出情報に対してさまざまな疑問が寄せられた。届出情報の内容はレベルアップしてきたのだろうか。

<PICOのPと被験者のズレ>
 届出情報の「販売しようとする機能性表示食品の科学的根拠等に関する基本情報(一般消費者向け)」に、「当該製品が想定する主な対象者(疾病に罹患している者、妊産婦(妊娠を計画している者を含む。)及び授乳婦を除く。)」の項目がある。届出企業は、販売対象となる消費者層をあらかじめ明確にし、この欄に記載しなければならない。

 届出企業の多くは、想定する主な対象者を「成人男女」と設定している。対象者を「高齢男性」などと絞り込むよりも、「成人男女」と設定した方が販売面で有利となる。
 ただし、対象者を「成人男女」とする場合には、機能性を評価する際に設定するリサーチクエスチョンのPICO(またはPECO)のP(誰に)も「成人男女」となる。従って原則として、臨床試験や研究レビューによって評価する研究論文の被験者も、「成人男女」を代表したものとしなければならない。

 そうした観点から、健康情報ニュースではこれまでにも、森下仁丹(株)のサプリメントなどを事例に挙げて、商品の対象者と比較して、研究論文の被験者の層に偏りが見られるのではないかと指摘してきた(http://ib-kenko.jp/2015/07/0723_dm1248_1.html)。この問題は、機能性表示食品制度に対する消費者の信頼性を高める上で重要と指摘される。届出情報のさらなるレベルアップに向けて、今回は(株)タイヨーラボのサプリメント『サンテアニン200』を例に挙げて考えてみる。

 同商品は、(1)起床時の疲労感や眠気を軽減する、(2)一過性の作業にともなうストレスをやわらげる――という2つの機能性を訴求している。機能性を評価するため、同社では関与成分の研究レビューを実施した。

 「起床時の疲労感や眠気を軽減する」については、リサーチクエスチョンのPを「健常者成人」と設定。一方、研究レビューで採択した2報の研究論文を見ると、1報が「健常成人男性」、1報が「更年女性」をそれぞれ被験者としている。
 「一過性の作業にともなうストレスをやわらげる」についても、リサーチクエスチョンのPを「健常者成人」と設定。しかし、研究レビューで採択した3報の研究論文は、いずれも大学生を被験者としている。

(つづく)

【木村 祐作】

 

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