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2015年11月26日

機能性表示食品「届出情報」を考える(中)

<一般消費者への十分な説明が重要>
 機能性の根拠とした研究論文の被験者は、この商品が対象とする「成人男女」を正しく代表していると言えるのだろうか。少なくとも、届出情報の「一般消費者向け情報」などで、「成人男女」に適用できる理由について説明することが必要と考えられる。この点について同社の見解を聞いたところ、以下のような回答があった(回答者は同社の親会社である太陽化学(株))。

 「(略)・・・主な対象者には『睡眠の質が気になる方』と記載しておりました。本記載内容について消費者庁から表記について指摘を受け、『本品は、睡眠の気になる方に適しています。』を削除するとともに、それにともない対象者も『成人男女』と修正をしています。再申請をした修正内容については、消費者庁から改めて指摘を受けておらず、修正内容で懸案事項が解消され受理されているものと認識しています。科学的根拠という観点はなく、消費者庁からの指摘により修正したという背景であることをご理解ください」。
 「(略)・・・主な対象者には『ストレスが気なる方』としておりましたが、消費者庁からの指摘で『本品は、精神的なストレスが気になる方に適しています。』を削除するとともに、それにともない対象者も『成人男女』と修正をしています」。

 同社の説明のとおり、同商品の届出情報はガイドラインや関連法規をクリアし、消費者庁に受理されたものだ。ただし、今回指摘した点について、消費者に対する説明不足は否めない。「身体のさまざまな機能が弱っている高齢者であっても、若年層と同じ効果が出るのだろうか?」などの疑問に答えることも、届出企業の責務と言える。

 機能性表示食品制度の目的が、「消費者の自主的かつ合理的な商品選択に資するもの」である以上、届出情報の「一般消費者向け情報」などで消費者に向けて十分に説明するか、または、商品の対象者を研究論文の内容に近づけることが重要となる。

<説明を加えた届出情報も>
 直近の届出情報から、もう1例紹介する。(株)伊藤園の清涼飲料水『ヘルシープラス さらさらむぎ茶』は、「気温や室内温度が低い時などの健やかな血流(末梢血流)を保ち、体温(末梢体温)を維持する機能があることが報告されています」と表示する。

 同社も、関与成分の研究レビューによって機能性を評価。採択した論文は3報だった。3報の被験者を見ると、「冷えを有するが健康な18-22歳の日本人女性10名」、「冷えを有する女性11名(29.6±3.9歳)」、「12人の冷えを有するが健康な日本人女性(18-22歳)」とすべて女性で、比較的若い層だ。一方、同商品の主な対象者は、男性も高齢者も含む「健康な成人」としている。

 前述の事例と同じような問題が見られるが、同社の対応はやや異なる。この点について届出情報の「一般消費者向け情報」のなかで、「男性のデータおよび幅広い年齢層での試験が必要ですが、性差・年齢による効果の違いはこれまで報告されていないため、体温を維持させる効果があると判断しました」と説明している。こうした説明文も、消費者が商品を選ぶ際の参考になると考えられる。

 機能性表示食品制度は企業のプライドをかけて、自己責任によって消費者に機能性を訴求する仕組みだ。制度に対する消費者の信頼を高めるために、届出企業には、これからチャレンジする後発組の”お手本”となるような取り組みが期待される。

(つづく)

【木村 祐作】

 

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