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2015年07月06日

機能性表示食品「届出情報」を分析(後)

(株)グローバルニュートリショングループ 代表取締役 武田 猛 氏

<消費者を安心させる情報提供を>
 販売前に広く情報開示するのが機能性表示食品制度の優れた特徴だが、その利点を生かしきれていないのではないか。例えば、安全性評価の情報である。販売実績のみを喫食実績とし、安全性を評価した商品は14商品に上る。消費者団体が指摘するとおり、検討会報告書には次のように食経験について補足説明が行われている。
 「食経験の考え方として、例えばFDAは仮の目安として、広範囲に最低25年摂取されていることを、またオーストラリア・ニュージーランド食品基準局は、摂取期間(2~3世代あれば使用歴としては十分だが、5年以下では短いと考えられること、また条件次第では10~20年でも十分な使用歴と考えられること)、摂取量の同等性、摂取集団の外挿性などの条件を満たしていることをそれぞれ示している」。

 ガイドラインには「『既に市場に流通している当該食品または当該食品と類似する食品』における喫食実績の評価については、以下の項目を参考に十分な評価ができるか否か考察して・・・記載する。・・・以下の項目については、必ずしもすべての項目を網羅する必要はないが、機能性表示食品を販売することの適切性について、健康被害の発生状況を踏まえ、科学的に説明する」という記述もある。

【喫食実績の評価項目】
・摂取集団(例:国籍、年齢、性別、健康状態、規模)
・摂取形状(例:錠剤、カプセル剤)
・摂取方法(例:生食、加熱して摂取)
・摂取頻度
・食習慣等を踏まえた機能性関与成分または当該成分を含有する食品の日常的な摂取量(例:機能性関与成分 ○g/日)
・機能性関与成分の含有量(例:○g/包、○g/100g)
・市販食品の販売期間(例:西暦○○年から流通されている)
・これまでの販売量(例:年間○kg過去○年間で○kg)
・健康被害情報 など

 販売実績ではおおよそその販売期間と全体的な規模はわかるが、どれくらいの人数が、どれくらいの頻度で、どれくれいの期間継続摂取したのかはわからない。販売実績で安全性を評価する企業は、消費者が安心できる丁寧な情報提供を心掛けてほしい。とくに、「○億粒」とか「○○万食」と意図的に販売量を多く見せようとする表現の仕方は、不信感を買うだけである。

<グレーゾーンを作らない>
 「臨床試験済み」と目立つように表示している商品もある。この点も一部の消費者団体は消費者を誤認させるのではと指摘している。ガイドライン違反ではなく、食品表示基準で禁止されていることでもない。しかし、今後届出する企業がこぞってこのような表示をし始めたら、機能性表示食品全体のイメージはどうなるかを考えるべきだ。

 また、「届出表示」の範囲内であれば、一部の文言を切り取ってキャッチコピーなどに使うことも認められているが、これも程度の問題だと考えられる。例えば、届出表示は「見る力の維持をサポートすることが報告されています」と消費者にわかりやすい表示であるが、パッケージには「目のサプリメント」「目のための厳選素材含有」「見る力を支える5つの要素」「1日1粒クリアな視界」と書かれている商品もある。

 注意喚起表示や機能性・安全性について、国による評価を受けたものではない旨の表示よりも大きな文字で目立つように書くことは、本当に消費者のことを考えていると言えるのか疑問だ。さらに、機能性表示が書けない時代には商品のベネフィットを商品名で間接的に伝える必要があったが、機能性表示食品にはそのようなテクニックは不要。「いわゆる健康食品」と一線を画すためにも、機能性表示食品は商品名にも配慮が必要と思う。

 制度がスタートして約3カ月が経過し、機能性表示食品制度の可能性と課題が徐々にはっきりしてきた。重要なのは、各事業者がこの制度を育て上げようという気持ちを持ち、大切に活用することではないだろうか。消費者からそっぽを向かれないように、誠実に向き合うことが重要となる。
 また、消費者庁に受理され情報公開された商品は、60日間何もなかったから安心というわけではなく、商品の販売を続ける限り、説明責任がともなうという重みも十分に理解してほしい。

(了)

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