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2015年12月07日

機能性表示食品――この人に聞く(10)

ケミン・ジャパン(株) 代表取締役 橋本 正史 氏

 

<海外も注目する機能性表示食品制度>

hasimoto ――機能性表示食品制度に対する海外の反応はどうか?

 橋本 機能性表示食品制度は、海外の制度と比較しても画期的なものとなった。ケミン社は米国の原料会社で、ルテインなどの原料をグローバルに展開している。私は日本だけでなく、アジアパシフィックの担当を兼務しているが、以前から日本の業界が遅れていると感じていた。しかし、この制度が始まってから、アジアの各国が注目し、視察に訪れている。先日も韓国の企業が日本の市場を視察に来たが、韓国の制度は国が認可するため、コストと時間がかかり、企業も苦労している。韓国の企業も「スピード感があり、すごい制度だ」と、日本の制度に感心していた。海外旅行客も機能性表示食品を購入しており、インバウンド需要もある。

 ――機能性表示食品制度による市場の変化は?

 橋本 市場が活性化してきていると実感している。これまで様子を見ていた企業も、受理された製品の売上が上がっているのを見て、意識が変わってきた。大学の研究機関や臨床試験の受託会社(CRO)など、研究分野も活性化している。

 ――消費者団体から疑義情報が出ているが。

 橋本 疑義情報は逆にありがたい。消費者団体などからの厳しい目があることは、健全化のためにもよいことだと思う。さまざまな人たちが公表された情報を見ており、受理された企業にも一定の緊張感がある。

 弊社の原料を使用した機能性表示食品について、ある消費者団体から指摘を受けた際に、その消費者団体の関係者と直接会って、自社のこれまでの取り組みや企業姿勢を伝えた。企業が直接訪問に来るのは初めてだったようで、消費者団体の関係者も驚いていた。消費者団体と直接話をして、先方がこれまで知らなかった情報を伝えることができたことは、お互いに有意義だった。消費者団体とは業界を健全化していくという点で共通点があり、オンブズマンとして厳しい目で見てくれる存在は、業界にとっても貴重だろう。

 ――制度の課題は?

 橋本 病者と健常者の境界線を引くのが難しいこと。ルテインはエビデンスが豊富だが、海外で健常者の領域に入る疾病予備群のデータは、日本では境界域からやや病者側に入ってしまう。眼科関連の学会では、この領域の人に対してルテインの摂取を推奨していることから、本来は摂取してほしいのだが、機能性表示食品としてはできないことが歯痒い。何とかこれらのデータを有効活用できないか、試行錯誤しているところだ。

 また、制度の認知度が低いことも課題。消費者側だけでなく、医師や薬剤師ら医療従事者も、機能性表示食品制度に関する情報を知りたがっている。医療従事者とも連携して、普及啓発に努めていきたい。

(了)

【聞き手・文:山本 剛資】

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