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2015年10月15日

機能性表示食品――この人に聞く(3)

(一社)日本栄養評議会 理事長 臼杵 孝一 氏

utuki559.jpg<スローペースでない消費者庁の受理>
 ――機能性表示食品制度のスタート後の印象は?

 臼杵 消費者庁の受理件数は決してスローペースではない。特定保健用食品(トクホ)がスタートした直後は、1~2年で数品が許可されただけだった。それを考えると、半年も経たずに数十件も受理されたことは、制度がスタートする以前に、各業界団体や企業がいかに制度を理解していたかということを表している。通常ならば、施行後に様子を見て準備するはずだ。受理件数は当初予想されていた程度に達しているのではないだろうか。

 ――制度の導入によって市場は拡大しそうか?

 臼杵 それは消費者が決めることであって、事業者が決めることではないので、我々にはわからない。

 ――健康食品市場への影響は?

 臼杵 この制度が導入される以前は、食品に機能性があることをすべての人が理解していたが、表示・広告で規制が設けられていた。つまり、事実であっても表示できなかったわけである。各社が行っていたのはイメージ広告で、モデルが体のある部位を指すなどのあいまいなかたちで消費者の想像に任せるという、消費者にとって不親切なものだった。事業者への指導も行政の裁量が大きかった。

 ところが、4月1日から機能性表示食品制度がスタートし、ルールが明確化された。事業者はそのルールのもとで機能性を伝えることができるようになった。消費者も、商品の機能性が自分にとって有益かどうかを判断するための情報を得られるようになった。事業者・行政・消費者にとって利益のある制度が生まれた。

 ――消費者団体から届出情報に対する疑義が提出されているが?

 臼杵 機能性表示食品制度は届出情報がインターネット上で公開されるという、世界的に類を見ないものだ。だれでも情報を入手できるため、それに対して懸念を示す人も出てくる。これは、制度の特徴として起きていることである。行政が(良し悪し)を判断して、その結果だけを消費者に伝えるのは、時代に逆行する。食品表示法の理念を踏まえた制度であり、さまざまな人が多様な評価を行うことになる。

 ――疑義情報への対応は?

 臼杵 表示や広告については、自主規制が必要と思う。しかし、研究レベルについて自主規制を行うと、新たな開発ができなくなってしまう。もし、学会や大学などで自主規制が出てくると、研究レベルは向上しないだろう。

 ――今後注力することは?

 臼杵 日本栄養評議会が単独で動くことはない。健康食品産業協議会のテーブルで、我々の分野(川上側)の課題についても話し合って、集約していく。

【聞き手・文:木村 祐作】

 

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