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2015年10月02日

機能性表示食品――この人に聞く(1)

(公社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会

NACS消費生活研究所所長・食生活特別委員会委員長 戸部 依子 氏

 消費者庁の機能性表示食品制度が4月に施行され、既に100件近くの届出が受理された。多数の機能性表示食品が発売され、メディアでの露出も増えてきた。有識者や業界関係者に、同制度に対する評価や今後の課題などを聞く新連載をスタートする。

tobe97.jpg<大事なのは「消費者の評価」>
 ――機能性表示食品制度に対する評価は?

 戸部 最近、NACS消費生活研究所で機能性表示食品について話し合う機会があったが、制度そのものを否定するのではなく、「うまく使っていきたい」という人が多かった。ただ、うまく使えるかどうかについては、不安に感じている人もいた。

 届出情報を開示することはとても良いと思う。機能性表示の根拠に客観性を持たせたことも評価できる。ただ、企業の届出情報がそのまま商品選択の材料になるかと言えば、実際はそうではない。消費者にとって届出情報の内容は難しいし、あの情報をすべて読んでから購入を検討するというのでは、食品とは言えないだろう。届出情報は、製品についてより詳しく知りたい人のための参考情報という扱いで、ほとんどの人が商品を購入する際に確認しないと思われる。

 ――公開された届出情報に対する印象は?

 戸部 一部の企業の届出情報を批判する人もいるが、これは消費者の視点とは異なると思う。確かに専門家の客観的な視点も必要だが、大事なのは実際に使用する消費者側の評価。たとえ完璧な届出資料が用意されていたとしても、どれだけの数の消費者が届出資料を確認してから購入するのかは疑問だ。

 消費者はパッケージに書かれている機能性表示を見て、ある程度の機能性があることを前提に購入する。しかし、効果があるかどうかは人それぞれ。通常の食品でも一人ひとりにとっての栄養的価値が異なるように、機能性表示食品も人によって効果が異なる。

 商品を購入する人は、人それぞれに何らかの期待を持って購入している。その期待に対して、他人がとやかく言うべきことではない。一度購入して効果が実感できなければ、使用を止めればいい。しかし、何らかの効果を期待していたのに健康被害が出てしまっては、大きな問題となる。だから、安全性が確保されていれば、機能性表示の効果に対する評価は個人の捉え方に任せればよいと思う。データが公開されているので、その商品についてより詳しく知りたい人は、届出情報で確認できる。データが不十分と感じれば、購入しなければよい。

 この制度は企業の自己責任による表示なので、届出情報によって安全性や効果に対する企業の考え方がわかる。届出情報や機能性表示の市場における妥当性は最終的には、消費者が評価するものだと思う。

 ――今後の展望や課題は?

 戸部 消費者庁や業界は、まずは機能性表示食品の市場をどのように育てていくのかを明確にすることが必要。消費者庁は届出資料の対応に追われていると思うが、どこかのタイミングでこの制度が正しく機能しているかどうかについて検証してほしい。2年後に見直すことになっているが、その際には業界・消費者も協力し、どのくらいの人が届出情報を見ているのか、どのように活用しているのか、消費者がどれだけ健康効果があったと実感しているのかなどについて、調べることが大事だろう。

【聞き手・文 山本 剛資】

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