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2014年07月02日

新制度検討会、論点の行方(前)

<UMIN事前登録とCONSORT声明準拠で経過措置>
 消費者庁の「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」は、次回会合から取りまとめの議論に移る。検討会はこれまでに7回開催され、すべての検討課題について議論が出尽くし、一定の方向性が示された。各課題に対して一部異論も出たが、大筋で合意されたと言える。主な論点を整理してみた。

 新制度で機能性を実証するためには、データベースを検索して論文を収集し、総合的に評価することが基本となる。
 こうした方法だけでなく、最終製品を用いたヒト試験を実施し、実証することも可能だ。その場合、研究計画の事前登録、国際指針に準拠した研究報告、査読付きの論文化が条件となる。

 研究計画の事前登録は、「UMIN臨床試験登録システム」などで行なう。研究報告は、「CONSORT声明」などの国際的な指針に沿った形式で行なう。消費者庁ではUMINへの事前登録とCONSORT声明の準拠について、経過措置を設ける方針。どちらも比較的新しい取り組みであることから、経過措置によって、健康食品業界などに円滑に周知させる考えだ。
 ただし、経過措置の終了後は、UMINへの事前登録もCONSORT声明の準拠も必須となる。条件を満たさない研究は、新制度で機能性の根拠として活用できなくなる。

 もう一つの条件に挙がった査読付きの論文化については、経過措置が適用されない方向にある。NET-IBの取材に対し、消費者庁は「査読付き論文は昔からあるもので、UMIN登録やCONSORT声明とは事情が異なる」(食品表示企画課)と話している。

 また消費者庁では、過去の論文を排除しない方向で検討している。CONSORT声明に準拠していない過去の論文であっても、優れた研究内容ならば、新制度で機能性の根拠となり得るという。たとえば、あるトクホ商品について過去に行なわれた研究も、当該トクホ企業が利用できることになりそうだ。

<一定レベルの論文がシステマティック・レビューの対象に!?>
 機能性の実証で、多くの企業が実施すると予想されるのが、データベース上の論文を検索し評価する手法だ。収集した論文は、「システマティック・レビュー」という手法によって総合的に評価する。

 新制度では、システマティック・レビューの実施者を定めない。最終商品の販売会社が自ら実施してもよいし、取引先の原料メーカーなどが実施した結果を活用してもよい。だれが実施しても、その結果を利用できるというわけだ。ただし、最終商品の成分配合量などと、研究内容がマッチしていることが求められる。また、だれがレビューしたとしても、最終商品を扱う企業が実証責任を負う。

 同様に、安全性データの文献検索も、原料メーカーなどが実施した結果を利用できる。安全性も機能性も、必ずしも最終商品の販売企業が自ら行なう必要はない。手間も費用もほとんどかけずに、機能性を表示することが可能となるケースも少なくないと予想される。

 前回の検討会では、合田幸広委員がレビューの対象とする論文について、「一定レベル以上の論文を定めておくべき」と主張し、新たな論点に浮上した。”一定レベル”の線引きなど、具体的な検討には専門的知識が求められる。このため消費者庁では、検討会終了後に検討に入ると予想される。

(つづく)
【木村 祐作】

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