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2014年06月11日

新制度をめぐる「誤解・疑問」(2)

<Q2:新制度は「プチ・トクホ」か?>
 A:業界紙はこぞって、新・機能性表示制度を「プチ・トクホ」「準トクホ」などと書きたてているが、重度の認識不足と言える。

 新制度は、トクホと同様の表示を可能とする方向にある。従って、トクホとの整合性が求められる。対象者などのいくつかの点で、トクホと歩調を合わすことが必要となる。この点を取り上げて「プチ・トクホ」などと報道すると、ミスリードにつながる。

 トクホと新制度の違いは何か。第1に、トクホは国が許可、新制度は企業が評価して表示する。第2に、トクホは最終商品で試験を実施。新制度では基本的に、データベース上の論文をもとに成分ベースで評価する。第3に、トクホは許可までにおよそ1億円・4年を費やす。一方、新制度はケタ違いの低コストと短い時間で済む。第4に、トクホで許可されていない「疲労」「眠気」といった領域も、新制度の対象となり得る。

 このようにトクホと新制度は異質の制度だ。「○○トクホ」報道は取材不足によるもの、または業界紙にありがちな情報操作の類と考えられる。

<Q3:消費者庁案はむしろ規制強化か?>
 A:業界内には、「むしろ規制強化ではないか」という意見がある。こうした声は、安全性評価で相互作用の確認を求めた点や、機能性を最終商品によって実証する場合に「事前登録」などを必須とした点を指している。

 しかし、まったく筋違いの話と言える。新制度は、機能性を表示する企業だけにルールを課すが、新制度を利用するかどうかは企業の自由。既存の仕組みが厳しくなるわけではない。それどころか、低コストでトクホ同様の機能性を表示できる制度が導入されるわけだから、大幅な規制緩和である。一方、何でも自由に表示できるようになるという”妄想”を抱く企業では、そう受け止めていないようだ。

 また、表示の取り締まり強化と新制度がセットで導入される、と指摘する業界関係者もいる。しかし、改正景表法による都道府県の権限強化や、表示・広告ガイドライン改正などの動きと、新制度はリンクしていない。これらの施策は不当表示の氾濫が背景にある。新制度の議論をよそに、取り締まりの強化は粛々と実施される。

<Q4:新制度では「部位」表示(構造・機能表示)ができない?>
 A:新制度では、少なくともトクホで許可された範囲の表示がほぼ可能となる。トクホの部位表示は、現時点で「歯」「骨」がある。まず、これらの部位表示については可能となる見通しだ。

 では、新制度で「目」「関節」などを表示できるのか。それは、検討会の業界代表委員の活躍次第と言える。部位表示は薬事法の守備範囲。可能かどうかの判断は厚生労働省の所管で、消費者庁は手出しできない。

 5月30日の第6回検討会で、業界代表委員は「部位表示を認めてほしい」と繰り返し主張した。しかし、消費者庁の担当課は「トクホの表示が限界」と答えるだけで、議論は一向に深まらなかった。当然である。検討会は消費者庁が主催。このため、毎回出席している厚労省監視指導・麻薬対策課の担当官に直接質問しない限り、委員の質問には消費者庁が答えざるを得ない。その場合、「トクホの表示が限界」という回答しか得られない。

 そうした事情を”プロ”である業界代表委員は、当然理解しているはず。それなのになぜ、厚労省に質問して追求しなかったのかという疑問が残る。厚労省を追求しないということは、部位表示を見捨てたのも同然だ。次回会合がラストチャンス。もし、次回も業界代表委員が厚労省を追求しないのならば、業界自らが部位表示を放棄したことになる。さらに、厚労省に質問するだけでなく、議論で優位に立てるように理論武装することも業界代表委員の義務だ。準備する時間は十分にある。

 部位表示を要望するならば、業界は自らの手でつかむしかない。厚労省に直接問いたださない限り、「部位表示は必要」と100回唱えても、無残な結果に終わるだろう。

(回答者:木村 祐作)

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