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2014年06月10日

新制度をめぐる「誤解・疑問」(1)

消費者庁の「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」は6回の会合を重ね、新制度の全貌が浮かび上がってきた。しかし、傍聴人数に限りがあり、業界紙の不正確な報道も手伝って、検討状況を間違って受け止めている企業関係者も。そこで、(株)グローバルニュートリショングループ代表取締役の武田猛氏、(有)健康栄養評価センター代表取締役の柿野賢一氏の協力を得て、業界内で生じている「誤解」や「疑問」についてQ&A形式で解説する。

<Q1:新制度はトクホより厳しい?>
 A:新制度は「米国のダイエタリーサプリメントの表示制度を参考にしつつ」、「企業等が自らその科学的根拠を評価した上でその旨及び機能を表示できる」仕組みとなる。つまり、米国のダイエタリーサプリメント制度がトクホよりも厳しいのならば、新制度もトクホより厳しくならざるを得えない。また、企業が自ら評価して表示するということは、「機能性の証明」「広告を含めた表示内容の保証」「機能性の担保(品質確保)」「安全性の保証」に関する責任を企業が新たに負う必要が出てくる。今までと同じでよい、というわけではない。そのうえで、「安全性」と「機能性の評価方法」について考えてみる。

 第2回検討会で示された対応方針(案)で、「食経験に関する情報では十分でない場合については、特定保健用食品の安全性評価に必要な情報を参考として安全性試験に関する情報を評価する」とされた。これを受けて、「新制度はプチ・トクホだ」との声が出始めたと思われる。しかし、トクホは最終製品で安全性試験を実施するのに対し、新制度は成分ベースの文献レビューでよい。米国NDI(新規ダイエタリー成分)の安全性確認と同じ制度と言える。「トクホで必要な情報を参考に」として示された安全性試験の項目は、米国NDIと大きな違いはない。

 次に、機能性の評価方法について考察する。第5回検討会で示された基本的方向性(案)では、新制度で機能性を表示する場合、(1)最終製品を用いたヒト試験による実証、(2)適切な研究レビューによる実証――のいずれかを必須としている。(1)はトクホと同じ最終製品によるヒト試験が求められるが、新制度の基本は(2)の研究レビューによる実証。これは米国ダイエタリーサプリメント制度でも同じだ。

 (1)(2)の評価方法がトクホと比べて厳しいかどうか。(2)の研究レビューによる実証は、トクホと比べようもないほど企業にとって緩い施策となる。(1)の最終製品による実証については、事前登録、国際的なガイドラインの遵守、査読付き論文による報告が必須とされている。これだけを見るとトクホよりも厳しいと言える。しかし、(1)の選択は、自社商品を差別化する場合などに限定されそうだ(生鮮品などエビデンスが少ない場合も含む)。

 米国でも制度のスタート時は論文レビューが中心だったが、それだけでは他社商品との差別化ができず、コモディティ化とならざるを得なかった。そこで、差別化を図るために、企業が独自で研究を実施し、論文を投稿してきた経緯がある。その際、論文の質が問われるのは当然で、必然的に米国企業は質の高い試験デザインや論文を選ぶようになった。

 企業が費用をかけてわざわざ新たにエビデンスを取得するのであれば、海外でも通用したものであった方がよい。国際競争を視野に入れた場合、新制度が目指す方向性は妥当と言える。

(回答者:(株)グローバルニュートリショングループ 武田猛氏)

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