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2014年05月26日

新制度は本当に厳しいか?(後)

(株)グローバルニュートリショングループ 代表取締役 武田 猛 氏

<消費者案は「世界標準」>
 表3は、(1)米国DSHEA(ダイエタリーサプリメント健康教育法)下での構造・機能表示、(2)トクホ申請に必要な有効性試験、(3)新制度案で求められる機能性に関する科学的根拠のレベルと実証方法――の比較である。

 米国の構造・機能表示のためのガイダンスには、「優位性、信頼性のある科学的根拠」と非常に曖昧なことしか書かれていない。そのため、企業によって解釈がまちまちとなり、米国では問題を起こす企業が後を絶たない。一方、消費者庁の新制度案では、そのような事態を招かないようにするため、より具体的に明記している。米国の構造・機能表示ガイダンスが求めている科学的根拠のレベルも、突き詰めて考えると、新制度案に行き着く。

 表3の新制度案の「(1)最終製品でのヒト試験」について、「トクホよりも厳しい」という声を聞く。事前登録、国際的なガイドラインに準拠、査読付き論文といった取り組みは、消費者庁の「食品の機能性評価モデル事業」で浮き彫りとなった「今後の課題」が反映されたものである。これらの取り組みは、たとえ食品(サプリメント)であっても、欧米でヒト介入試験を実施する際には常識の範囲である。この点については、むしろ日本のトクホ制度が寛大であるとも言える。

 また、コーデックス健康表示の科学的評価基準は、(1)well-designされたヒト介入試験によって得られた科学的根拠を基に行なわれるべき、(2)網羅的な科学的根拠の検証を実施すべき――とされている。つまり、世界共通の食品規格基準を定めるコーデックス委員会の科学的評価基準は、消費者庁の新制度案が求める科学的根拠のレベルと同じことを言っている。

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 最後に、表4に米国DSHEAの優れていると思われる点と問題点を整理した。新制度案は米国DSHEAの問題点、とくに「機能性表示の科学的根拠の基準作りが後手に回っている」という点を大幅に改良している。

 業界関係者の視点には「厳しい」制度と映るかも知れないが、消費者目線で見ると「当たり前」の制度と言えるのではないだろうか。もちろん、企業にとっては新たに取り組むべきことが増え、費用も発生する。しかし、その対価として機能性表示が認められ、GMPなどの安全性・品質を確保するための取り組み内容を伝えることができるのである。知恵を絞って上手く対応すれば、費用もそれほど大きな負担にはならないはず。新制度に上手く対応するのか、見送るのかで、企業が選択する戦略は大きく違ってくる。その結果、消費者の評価も大きく異なることになるだろう。

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(了)

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