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2014年05月03日

新制度の骨格が明らかに(3)

<「システマティック・レビュー」が必須>
 第5回「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」で示された消費者庁案によると、企業が機能性表示の根拠を実証する場合、「最終製品を用いたヒト試験」または「適切な研究レビュー」のどちらかを選択する。

 健康食品企業の大多数は、データベース上の文献を検索して行なう「適切な研究レビュー」を選択すると予想される。消費者庁案によると、その際に求められる科学的根拠のレベルは、食品の形態によって差をつける方針。サプリメント形状の食品については、ヒト介入試験によってポジティブな結果が得られていることが要件となる。一方、一般加工食品や生鮮食品については、ヒト介入試験でも観察研究でもよい。サプリメント形状の食品よりも、ハードルを低くしたかたちだ。

 企業がレビューする際には、査読付きの学術論文など1次研究(いわゆる原著論文)を用いた「システマティック・レビュー」が必須となる。「トータリティ・オブ・エビデンス」の考え方に基づき、企業は自己責任のもとで、成分の機能性をシステマティック・レビューによって総合的に評価しなければならない。
 
 システマティック・レビューとは、あるテーマに関する研究データを収集・解析し、総合的に評価する手法。系統的レビューとも呼ばれる。(1)検索条件を事前に設定、(2)関連する国内外の研究を網羅的に収集・精査、(3)総合的な観点から評価、(4)だれもが再現できるように、検索条件から結果に至るまでのプロセスをすべて公表――などを柱とする。
 また、トータリティ・オブ・エビデンスは、ポジティブなデータだけでなく、ネガティブなデータも含めて、総合的に判断するというもの。このため、文献検索によって良好な結果の研究論文が多数出てきても、否定的な研究論文が同じくらいあれば、根拠として認められない可能性もある。

 これらの手法に基づく「総合評価」も、新制度の特徴の一つ。個々の製品ベースで評価するトクホ制度と大きく異なる点だ。

 消費者庁案によると、システマティック・レビューを実施する場合、(1)検索条件、(2)採択・不採択の文献情報、(3)結果に至るプロセス、(4)スポンサー・共同スポンサー、利益相反に関する情報、(5)出版バイアスの検討結果――などの詳細も公表しなければならない。これにより、制度の透明性を高めて、だれもが再現できる仕組みを目指す考えだ。

 また、海外で実施された研究もレビューの対象とする。世界中の論文を収集することが基本となるが、試験デザインなどが日本人にとって妥当かどうかを考慮しなければならない。

 こうした要件に沿って実施されたシステマティック・レビューの結果、「査読付きのヒト研究論文が1本もなかった場合」、または「表示しようとする機能について、査読付きのヒト研究論文が支持していない場合」には科学的根拠が不十分とみなされる。つまり、機能性を表示できないことになる。

 システマティック・レビューについても可能な限り、「UMIN臨床試験登録システム」等への事前登録を求める方針が示された。出版バイアスをできるだけ排除するためだ。さらに、新たな研究結果を含めて定期的に再検討し、公表することも努力規定として案に盛り込んだ。

<「国による評価を受けたものではない」などの表示が要件に>
 消費者庁は、機能性に関する情報の開示についても案を示した。
 「機能性表示の内容について国による評価を受けたものではない旨」、「未成年者、妊産婦(妊娠計画中の者を含む)および授乳婦を対象としたものではない旨」、「バランスの取れた食生活の普及啓発を図る文言」の容器包装への表示を必須要件とする。

(つづく)
【木村 祐作】

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