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2014年05月03日

新制度の骨格が明らかに(2)

<トクホと同様の表示が可能に>
 2日開催の第5回「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」で、消費者庁は新・機能性表示制度で可能となる機能性表示の概要を示した。

 案によると、生活習慣病などに「罹患する前」または「境界線上」の人を対象とした「健康維持・増進に関する表現」を認める。トクホで許可されている表示と同じ程度の表現が可能となる。ただし、疾病名を含む表示は対象としない。この点がトクホ制度と異なる。トクホ制度では疾病リスク低減(骨粗しょう症)の表示もあるが、新制度では疾病名を絡めた表示は認めない。

 また、主観的な指標によってしか評価できない機能に関する表示も、新制度の対象とする。たとえば、疲労や眠気などがこれに該当すると予想される。ただし、評価に用いる指標が、日本人にも当てはまり、さらに学術的に広く支持されていることが要件となる。一部の国で使用され、日本人に当てはめることが困難な指標による評価は対象外となる。妥当性のある指標として、たとえば、日本の医療機関が診断で使用しているものなどが想定される。

<科学的根拠のレベルを示す>
 機能性表示を行なうための科学的根拠のレベルも示された。健康食品業界の関係者が、もっとも関心を寄せている点だ。消費者庁案によると、機能性を実証する手法として、(1)最終製品を用いたヒト試験による実証、(2)適切な研究レビューによる実証――のどちらかを選択できる。どちらの手法でも、企業が自己責任のもとで評価し、機能性を表示する。

 データベース上の文献によるレビュー(成分ベースでも可)を認めた点や、国は審査せずに企業が自ら評価する点が、トクホ制度と根本的に異なる。このためトクホと違って、表示にかかる費用も小さく、表示が可能となるまでの期間も短くて済む。

 会合で消費者庁は、「文献が少ない農林水産物などは(1)の方法で対応し、サプリメントなどは(2)で対応できるということで提案した」(食品表示企画課)と説明した。

 最終製品を用いた実証では、企業は安全性と有効性についてヒト試験を行なう。ヒト試験の方法は、原則トクホと同じ内容としている。ただし、有効性試験については、研究計画を「UMIN臨床試験登録システム」等に事前登録することが求められる。UMIN臨床試験登録システムはあらゆる臨床試験を対象とし、世界中のだれでも閲覧することが可能。また、試験結果については、「CONSORT声明」等の国際的な指針に準拠し、査読付き論文で報告されたものに限定する考えだ。
 
 研究計画の事前登録は、ポジティブな研究結果だけを公表する「出版バイアス」の排除が主な目的。また、CONSORT声明等の準拠によって、記載漏れを防ぎ、論文の質を向上させるという狙いがある。トクホの場合、消費者委員会や食品安全委員会などで審査され、疑義が生じれば、企業に資料の再提出などを求めることが可能。しかし、新制度は企業が自ら評価して表示することから、トクホ制度にない新たな取り組みを課すこととなった。

 ヒト試験の事前登録や、研究計画や論文作成についてCONSORT声明等に準拠するという考え方は、2年前に消費者庁の「食品の機能性評価モデル事業」によって業界に突き付けられた課題だった。

(つづく)
【木村 祐作】

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