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2014年11月28日

新制度の機能性表示を考察(6)

(株)グローバルニュートリショングループ 代表取締役 武田 猛 氏

<新制度の機能性表示で留意するポイント>

 本連載の最終となる今回は、新・機能性表示制度のもとで機能性を表示する際の留意点を整理する。新制度の基本精神は、「消費者の誤認を招かない、自主的かつ合理的な商品選択に資する表示制度」。新制度の目的は単に機能性を表示することではない。消費者が誤認せずに、自ら合理的に商品を選択できるような社会を実現することだ。そこから導き出されるポイントとして、次の2点がある。
 1.(疾病リスク低減を除く)保健の用途の表示の範囲を逸脱しない
 2.科学的根拠の外挿性、表示内容、表示対象者との整合性

 これらを踏まえると、新制度のもとで機能性を表示する際の留意点は以下のとおりとなる。
・機能性関与成分(素材・成分)、作用機序、ヒト試験の実証内容を正確に結びつける。
・上記の内容と表示内容、表示対象者との整合性を合理的に説明できるようにしておく。
・「保健の用途の表示」を正しく解釈し、表示文言を考える。

 科学的根拠と表示対象者、表示内容との整合性は、消費者が誤認を招かず、合理的に商品を選択するために不可欠な要件となる。現在、病者のデータが使えないことに対して、業界内から不満が出ているが、果たして消費者の視点に立った主張なのだろうか。機能性表示食品の対象者は、「生活習慣病等の疾病に罹患する前の人または境界線上の人」と定義されている。病者のデータを基にした機能性表示によって、消費者が「誤認を招かず、合理的に商品を選択」できるのか疑問だ。
 すでに機能性表示が容認されている国でも、「表示対象者と被験者との同等性」が重視されている。表示対象者との同等性がない科学的根拠に基づいた商品を消費者が利用した場合、企業は責任を負うことができるのかという点でも疑問である。

<「保健の用途の表示」を正しく理解>

 新制度のもとで魅力的な機能性表示を考えるためには、「保健の用途の表示」を正しく解釈し、応用することが不可欠。ここでも大切となるのは、「誤認を招かず、合理的な商品選択」に資するという原則に従うことである。

(1)容易に測定可能な体調の指標の維持に適する、または改善に役立つ旨
 この場合、既存のトクホを参考に表示文言を検討する。あくまで”健康的な””正常な”レベルの維持を訴求すべきであり、「上げる」「下げる」などの医薬品的な表現は避けるべきである。

(2)身体の生理機能、組織機能の良好な維持に適する、または改善に役立つ旨
 既存のトクホは整腸や骨などが参考になるが、表示の種類は少ない。このため、米国ダイエタリーサプリメントの構造・機能表示の例を参考にするとよい。この場合、「回復する(させる)」「緩和する」「和らげる」など医薬品的な表現は避けるべきである。

(3)身体の状態を本人が自覚できて、一時的であって継続的・慢性的でない体調の変化の改善に役立つ旨
 これについては、既存のトクホで先行事例がない。消費者庁の検討会で「主観的な指標によってのみ評価可能な機能の表示についても新制度の対象となりうる」と言及された分野である。科学的根拠があれば、眠気や疲れなども表示対象となる。ただし、長期的な症状に対応するものでないことを表現する必要がある。

(了)

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