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2014年11月27日

新制度の機能性表示を考察(5)

(株)グローバルニュートリショングループ 代表取締役 武田 猛 氏

<リコピンの可能性を考える>

 トマト由来の抗酸化作用をもつリコピンも、研究数の多い成分だ。研究対象は生活習慣病予防領域、美肌・美白、脳、関節、骨、免疫バランスと幅広い。しかし、国内の研究は動物試験が中心で、ヒト試験が少ない。

 米国ダイエタリーサプリメントの場合、「心臓の健康をサポートします」「男性の前立腺の健康をサポートします」が機能性表示の中心となっている。一方、欧州では、ネスレとロレアルのコ・ブランド「Inneov」が肌の健康を訴求するサプリメントとして人気だが、EFSA(欧州食品安全庁)は、「Inneov」の「乾燥肌の状態改善を助けます」というヘルスクレームに対して「根拠なし」と判断し、承認しなかった。

 現在のヒト試験の状況からすると、以下のような表示の可能性がある。
 「リコピンは骨の健康維持をサポートします」
 「リコピンは男性の前立腺の健康維持をサポートします」
 「リコピンは心臓の健康維持をサポートします」

<米国の違反事例>

 米国ダイエタリーサプリメントの機能性表示に対する取り締まりは、FDA(Food and Drug Administration)とFTC(Federal Trade Commission)が担当している。FDAは商品のラベルと付帯する資料を法的に管理し、FTCは広告表現を管理する。

 DSHEA(ダイエタリーサプリメント健康教育法)では、情報の虚偽などを立証する責任はFDAが負うとされており、FDAによる機能性表示の摘発事例はほとんどない。むしろ、広告・表示の根拠の乏しさをFTCが告訴するケースがほとんどである。

 米国で不正な商行為を監視している非営利団体「商業改善協会(BBB)」の1部門である全米広告部門(NAD)が業界団体のCRNと協力して、ダイエタリーサプリメントの広告の監視を強化する自主プログラム(Advertising Review Program)を実施している。本プログラムでは、不十分な研究例として以下のケースを挙げている。
 (1)盲検化された研究でない
 (2)プラセボを使用していない
 (3)被験物質、プラセボ物質の不十分な説明
 (4)研究被験者数が少ない
 (5)研究方法が有効ではない、科学的に認知されていない
 (6)被験者の同質性がない(例:研究結果の外挿の可能性がない)
 (7)研究対象と異なる対象に販売している

 消費者庁の新・機能性表示制度をみると、研究の質について検討会報告書で言及しているが、(6)(7)も判断基準に含まれることは容易に想像できる。

(つづく)

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