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2014年10月30日

新制度、最終製品による実証(6)

(有)健康栄養評価センター 代表取締役 柿野 賢一 氏

<CONSORT声明準拠の留意点と査読付き論文の実際>

 食品関連の国内のジャーナルで、CONSORT声明が求められているものは今のところほとんどないが、今後増えると考えられる。一方、海外のジャーナルで、インパクトファクター(IF)が高いものでは、CONSORT声明への準拠を必須または推奨とすることが多い。IFとはジャーナルの影響度、引用された頻度を測る指標である。

 CONSORT声明準拠の臨床試験のプロトコルを作成する際に、とくに留意しなければならないのは「目標症例数=被験者数(Sample size)」の設定である。「どのように目標症例数が決められたか」を説明しなければならないため、臨床試験を始める前に、その研究に必要な被験者数を統計学的に見積もっておく必要がある。通常、パワーアナリシスという手法に従って、あらかじめ被験者数を決める。

 新制度では、機能性表示の内容によってアウトカムを決めることになるが、その有効性を示すための評価項目の選定によっては統計上、被験者数が大きくなり、予算をオーバーしてしまうこともある。これまでの健康食品業界のように、予算を最優先して被験者数を少なく決めると、CONSORT声明に準拠できなくなる恐れもある。

 UMIN登録した臨床試験が終了すれば、その結果に関わらず投稿論文の作成となる。新制度で指定された「査読付き論文」とするためには、査読(ピア・レビュー)があるジャーナルへ投稿しなければならない。

 査読とは、その分野の専門家による評価や検証のことであり、論文の信頼性の担保となる。国内のジャーナルで栄養学関連に絞った場合、代表的なものに「日本栄養・食糧学会誌」「Journal of Nutritional Science and Vitaminology(日本栄養・食糧学会と日本ビタミン学会の共同編集によって刊行している英文誌)」が挙げられる。そのほか、「日本臨床栄養学会雑誌」「食品科学工学会誌」「応用薬理」などが汎用されている。

 一方、海外のジャーナルでは「Journal of Nutrition」「Nutrition」「British Journal of Nutrition」「Nutrition Research」「Annals of Nutrition and Metabolism」「American Journal of Clinical Nutrition」「Journal of Functional Foods」「Journal of Agricultural and Food Chemistry」「Phytomedecine」などが挙げられる。

 検討会報告書では査読付き論文としか記載がなく、ジャーナルのレベルが指定されるかどうかは今のところ不明だ。だが、少なくともIFが与えられているジャーナルであれば、レベル的に間違いないと言える。とくに原料メーカーの場合、システマティック・レビュー(SR)を考えると、最低限Pubmedに掲載されるジャーナルを選ぶべきだろう。
 IFが高いジャーナルはその分、掲載までのハードルも高くなる。たとえばIF 6.9の「American Journal of Clinical Nutrition」は、全投稿数の20%しか掲載されていない。

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 掲載費はジャーナルによって違うため、見積もりを取り寄せる必要がある(無料の場合もある)。超過ページの費用、別刷購入の費用なども確認が必要だ。臨床試験受託機関が契約上の試験報告書を試験委託者へ提出したうえで、投稿先のジャーナルを決めて、査読付き論文化する作業は別途サポート料が必要となるのが一般的。また、和文と英文ではサポート料が違うことも多く、予め確認した方がよい。そのほか、論文化に向けては、文献取り寄せ費用や英文校閲費などが含まれているのか、それとも別費用なのかも確認が必要だ。

(了)

 

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