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2014年10月24日

新制度、最終製品による実証(2)

(有)健康栄養評価センター 代表取締役 柿野 賢一 氏

<トクホ制度との整合性>

 消費者庁の「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」で業界代表委員が、UMIN 臨床試験登録システムなどは食品に馴染まないと反発したと聞く。だが、それは明らかに誤りである。  日本の臨床試験登録システム「UMIN-CTR」が国際医学雑誌編集者会議(ICMJE)の基準を満たす登録サイトとして正式に認められるなど、臨床試験の事前登録を取り巻く環境は整っている。さらに、一部の臨床試験受託機関では、既に多数の臨床試験でUMIN臨床試験登録システムやCONSORT声明準拠に対応してきた実績もある。

 トクホ制度は今のところ、UMIN臨床試験登録システムへの事前登録やCONSORT声明への準拠を要求していない。しかし、消費者庁はトクホ申請手続きの迅速化・透明化を目的に、改正通知案を策定し、有効性のヒト試験を実施する場合、申請企業による「試験計画書」と「試験報告書」の作成を求めている。これにより、あらかじめ試験内容を明確にして、計画に沿って試験が適切に行われたことがわかるようにする。加えて、評価指標をあらかじめ定めておき、試験計画書に記載することも盛り込んだ。後づけ解析を行えないようにし、臨床試験の信頼性を高める考えだ。まさに、新制度と整合性を取った対応と言える。

<出版バイアスの排除>

 臨床試験の事前登録の大きな目的に、新制度で企業に求められる「出版バイアス」の排除がある。出版バイアスとは、「有意」な結果を示さない研究報告が投稿または刊行されにくいことにより生じるバイアスのこと。最終製品を用いた実証では、企業にとって都合の良い結果が得られるまで何回も臨床試験をやり直して、有意差が出た研究結果を査読付き論文にまとめるケースもある。この場合、研究結果は出版バイアスによって真実が歪められており、機能性表示の科学的根拠として不適格となる。

 では、なぜ不適格なのか?臨床試験の研究デザインのなかでも、新制度で指定されているランダム化比較試験(RCT)は、適切に計画・実施・報告された場合、ゴールド・スタンダードとなる。つまり、最も信頼性が高い手法である。
ところが、【表1】のとおり、エビデンスの信頼性を考えると、システマティック・レビューよりも劣るとされている。なぜなら、RCTによって得られた1報の学術論文は、あくまで1つの研究結果にすぎず、偶然、結果が良い方に、または悪い方に偏っている可能性が否定できないからだ。

 もし、最終製品を用いて1回の臨床試験のみで機能性を実証するのであれば、研究者・スポンサーにとって都合の悪い研究結果が意図的に葬られてしまう可能性(出版バイアス)を排除しなければならない。このために事前登録を行って、出版バイアスが入りこむ余地をなくすことが必要となる。

(つづく)

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