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2014年10月23日

新制度、最終製品による実証(1)

(有)健康栄養評価センター 代表取締役 柿野 賢一 氏

新・機能性表示制度を活用する場合、企業は機能性の根拠を実証しなければならない。その方法は2とおり。1つは、システマティック・レビューによる実証(既報を参照)。もう1つが、最終製品を用いた臨床試験だ。新制度で最終製品を用いた臨床試験を実施する際の留意点を考える。

<機能性評価モデル事業で浮かび上がった課題>

 最終商品を用いた臨床試験について、消費者庁の新制度検討会報告書は「特定保健用食品の試験方法に準じることが適当」と明記。さらに、従来のトクホ制度には見られなかった新たな取り組みも盛り込んだ。

 新たな取り組みは、大きく次の2つに分かれる。第1に、研究計画を「UMIN(大学病院医療情報ネットワーク)臨床試験登録システム」などに事前登録すること。第2に、臨床試験の結果を国際的コンセンサスの得られた指針(CONSORT声明など)に準拠した形式で、査読付き論文によって報告することがある。

 これらは、2011年度消費者庁予算事業「食品の機能性評価モデル事業」の結果を踏まえた取り組みだ。モデル事業報告書で注目すべき箇所は、「食品成分の機能性評価に係る課題等の整理」。ここでは、機能性を実証する場合の様々な留意点を列挙している。

 機能性評価方法の課題に、公正性・透明性の確保を挙げた。ヒト試験については公正性・透明性を保つ観点から、利益相反(COI)関連情報の記載が望ましいとした。最近では、論文の投稿規程でもCOI関連情報の明記を求めることが主流になってきていると指摘。このため、今後発表する論文については 、COI関連情報の明記を徹底する方向性を示した。

<ヒト試験の事前登録を提言>

 モデル事業報告書は、出版バイアスの問題にも切り込んだ。モデル事業では、出版バイアスの可能性を明確に排除することが困難だった。解決するためには、今後、食品成分に関するヒト試験の事前登録が望まれると提言した。

 提言の背景として、臨床試験などの研究計画の事前登録が国際的に定着しつつあり、主要な雑誌の投稿規定にも加えられていることや、日本でも「UMIN臨床試験登録システム」の運用が開始されているといった環境整備の進展を挙げた。

 今後行うヒト試験については、(1)研究計画を必ず事前登録する、(2)研究計画と論文の作成は国際的コンセンサスの得られた指針(CONSORT声明など)に準拠する――ことを必須とする方向性を明確化。モデル事業報告書に盛り込まれたこれらの考え方が、新制度に色濃く反映されるかたちとなった。

(つづく)

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