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2014年03月10日

新・機能性表示制度 主張&提言!(14)

実践女子大学・実践女子短期大学 学長 田島 眞 氏

<機能性はグラデーション的なもの>
 ――消費者庁の「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」で検討が進んでいるが?

 田島眞氏(以下、田島) 新たな機能性表示制度で、消費者庁が目指している「消費者が誤認しない表示」をどう考えるのかが重要だ。安全性についても「白か黒か」と言えないように、機能性表示も「程度」の問題である。同じ健康食品を利用しても、効く人もいれば、効かない人もいる。そうしたことが、医薬品では理解されている。医薬品の効き目にも個人差があり、ある薬剤を投与して効果が出ない患者に対し、医師は別の薬剤を処方することになるが、患者もそのことを理解する。機能性食品やサプリメントも同じで、商品選択の仕方が大切だ。

 ――新制度では「構造・機能表示」が可能となる見通しだが?

tajima たとえば、コレステロールに関する構造・機能表示は、「正常なコレステロール値の維持をサポートする」といった表現になると予想される。しかし、消費者は希望的観測によって商品を摂取するため、たとえ表示は「維持をサポートする」であっても、コレステロール値が下がると期待するだろう。しかし、それは仕方のないことだと思う。人によっては効果が表れるわけで、「白か黒か」で考えるべきではない。このことを消費者庁にも理解してもらいたい。食品に機能性があることはたしかだが、医薬品と違って顕著な効果はもともとない。そういう意味で、ある一定の割合の人に効けばよいのではないか。

 ――新制度を検討する際に、どのような視点が重要か?

 田島 新制度の方向性として、安全性確保対策は厳しすぎるくらいでちょうどよいが、機能性評価はそうでなくてもよい。安全性については、たとえ1報でもマイナス情報が出てくると、大きな問題となる。一方、機能性については、しっかりとしたエビデンスが数報あればよいだろう。ただし、マイナスのデータも含めて、総合的に判断しなければならないことは言うまでもない。

 ――新制度の導入によるメリットや心配な点は?

 田島 新制度では安全性確保対策を厳しくし、食品の安全性が底上げされるというメリットを期待したい。一方、構造・機能表示を誤解して、「これさえ飲めば健康でいられる」と考える消費者が出てくると困る。また、新制度はエビデンスベースの仕組みとなるので、食品業界も今後はエビデンスベースの取り組みを心がけるべきだろう。健康食品などではイメージ広告が目につくが、そうした広告は問題があり、新制度が機能して、取り締まりが強化されれば減少するのではないだろうか。

 ――検討会や国へのメッセージは?

 田島 食品の機能性は「ゼロか100%か」ではなく、グラデーション的なものである。だから、「効くかもしれない」というような緩やかな表示への理解を深めて、より多くの製品が対象となるような方向に行ってほしい。また、消費者庁は企業が届け出る情報をオープンにする方針であり、このことはとても良い方向と言える。なぜなら、消費者が適切に商品選択するためには、情報開示が重要となるからだ。消費者も勉強して、適切に商品を選択できるように努力しなければならない。

【聞き手・文:木村 祐作】

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