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2014年02月17日

新・機能性表示制度 主張&提言!(11)

名古屋文理大学 教授 農学博士 清水 俊雄 氏

<「インフォームド・チョイス」の考え方は世界共通>
 ――1月31日の第2回「食品の新たな機能性表示に関する検討会」で、消費者庁はトクホレベルの安全性対策を提示したが?

simizu (1) 摂取量をベースに関与成分と製品について、ヒト試験によって安全性を確認することは世界標準であり、当然企業は行なうべきだ。ただし、トクホで求められる過剰摂取試験の義務づけは世界的に見られないもので、この点は議論するべきだろう。また、相互作用についてはデータが少ない。その状況のなかで、どこまで企業は対応できるのかという疑問もある。

 ――食経験に対する考え方は?

 清水 成分を抽出・濃縮したものは食経験がないという意見が多い。その通りだが、正確に言うと、まったくないとも言い切れない。食経験を判断する場合は、摂取量・摂取期間・摂取人口・摂取頻度・摂取者の5つの要素を総合的に考えて、「程度」として判断するべきだ。食経験の「程度」に関する情報をベースに、安全性試験をどの程度省略できるかを考えなければならない。食経験については、(1)摂取期間が25~30年間、(2)摂取人口が最低1,000人以上、できれば1万人以上――を満たす必要がある、という考え方が形成されつつある。これに加えて、食生活なども考慮する必要がある。食経験を調査する場合、まずは摂取量・摂取頻度・摂取期間の3点を調べることが大切。次に摂取人口や摂取者を調べることになるが、これは簡単でない。

 ――検討会では、安全性情報を開示する案も示されたが?

 清水 新制度は米国ダイエタリーサプリメント制度を参考にする方向にあり、その場合、届出制が大前提となる。米国ダイエタリーサプリメント制度の創設当初、主に3つの問題を抱えていた。第1に、企業責任で表示するわけだが、FDA(米国食品医薬品局)が評価基準を示していなかったにもかかわらず、構造・機能表示を認めることはおかしいと言えた。第2に、試験データの開示が義務づけられていないため、どのような試験結果に基づく表示なのかが、消費者は理解できない点がある。第3に、機能性表示のエビデンスとして、論文を投稿し、査読されることが最低でも必要だが、企業によってはいい加減な対応をしていたことがある。日本に新制度を導入する際には、これらの米国が直面した問題に留意しなければならない。

 ――そういう意味でも情報開示は必須か?

 清水 消費者が適切に商品選択するためには、安全性・有効性に関するデータを開示しなければならない。「インフォームド・チョイス」は世界共通の考え方である。これは「消費者に十分な情報を提供し、消費者自らが選択する」というもの。情報開示は、この「インフォームド・チョイス」の観点から不可欠となる。

 ――検討会で「マーク」の添付を主張されたが?

 清水 消費者はトクホをある程度理解しているかもしれないが、栄養機能食品を理解している人は少ないだろう。そういう状況のもとで、新たな機能性表示制度を導入しても、新制度の表示の意味を理解されないままだと、いわゆる健康食品と変わらなくなってしまう。まず、消費者に知ってもらうために、新制度のもとで機能性を表示した製品にマークをつけるなどの工夫が必要となる。

 ――機能性表示の根拠となるエビデンスをどう考えるか?

 清水 少なくとも動物実験で関与成分のメカニズムなどが解明されていて、RCT(無作為割付介入試験)によるヒト試験が実施されていることが最低でも必要だ。新制度の機能性表示がトクホと同じような内容になるのならば、有効性データについてもトクホレベルのものが求められる。さらに、観察試験をどう位置づけるかなども検討すべきだろう。

【聞き手・文:木村 祐作】

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