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2014年05月19日

新・機能性表示制度の本質を探る(1)

<中小企業が参加しやすい制度設計>
 消費者庁の「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」は5回の会合を終え、山場を迎えた。これまでに示された制度案を検証する。

 消費者庁案を通じて、浮かび上がった新制度の特徴を並べてみた。

・中小企業も参加できる(機能性を表示するのに大きな費用も長い期間も要しない)。
・透明性の高いフェアな制度(インチキできない)。
・安全対策や科学的根拠の整備にまじめに取り組む企業ほど評価される。
・世界に通用する制度設計(世界をリードする可能性も)。
・健康被害を出さない対策を用意(健康食品に批判的な消費者団体も認めざるを得ない)。

 新制度の本質は、低費用・短期間でトクホ同様の機能性表示を可能とする点にある。トクホの許可を得るには、企業は平均でおよそ1億円、4年かかると言われている。このため、中小企業は利用しにくいという批判があった。新制度はこうした声に応えたものだ。

 新制度で機能性を表示するために、企業は「最終製品を用いたヒト試験による実証」または「適切な研究レビューによる実証」のどちらかを選択する。多くの企業は研究レビューを選択すると予想される。その際、システマティック・レビューという手法で行なう。企業は、ある成分の機能性に関する論文を世界中のデータベースから検索。ポジティブな研究結果もネガティブな研究結果も含めて、総合的に評価する。そして、自己責任のもとで表示内容を考えて表示する。
 最終商品の販売会社が自ら評価しなければならないわけでもない。たとえば、原料メーカーが評価した結果を多数の販売会社が利用することも可能。また、先発企業が開示した情報を活用することもできる。トクホのように、販売企業が自ら莫大な費用と時間をかけて試験する必要はない。ただし、販売企業の自己責任のもとで表示することが前提となる。

 企業関係者からは「試験のN数はどのくらい必要か」、「何本くらい論文が必要か」といった質問が寄せられる。しかし、そうしたことも含めて、企業が自ら判断することになると予想される。言い換えれば、企業が創意工夫によって、いろいろとチャレンジできる幅を持たせた制度とも言える。

 このように、新制度は中小企業が参加しやすい仕組みとなる。企業からは「自己責任と言われても困る」という声も聞かれるが、消費者団体側は「自己責任を取れない企業がサプリメントを販売しているのか」と首を傾げる。自社製品に責任を持てないような企業は、そもそも食品を扱う資格がないという意見もある。

【木村 祐作】

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