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2014年12月10日

新・機能性表示制度で答申(後)

<いわゆる健康食品の健全化に期待寄せる>
 9日の消費者委員会本会議では、多数の委員が新・機能性表示制度の導入を支持した。その主な理由に、新制度のスタートにより、いわゆる健康食品市場の健全化が進む可能性があることを挙げた。

 岩田喜美枝委員((公財)21世紀職業財団会長)は、「いわゆる健康食品が横行していて、それを何とかしたい。現行制度では消費者は商品を選択できない。新制度によって(いわゆる健康食品が)整理されていくことを期待している。(新制度は)万全ではないが、スタートすることにノーを言うほどではない」と訴えた。夏目智子委員(全国地域婦人団体連絡協議会事務局長)は、「新しい制度をつくる際に100%の担保は無理としても、良いところがたくさんあるならば、足りない点は補っていくべき」と提言した。

 山本隆司委員(東京大学大学院法学政治学研究科教授)は、「100%ではないが、いわゆる健康食品(市場)を良い方向へ持っていく制度と言える。その意味で、法的基盤が脆弱なのは残念」と述べた。ほかの委員からも、「制度自体がだめではなく、ぎりぎりということ。何かあれば必ず手当てをするという消費者庁の姿勢をみて、実施してもよいと思う」、「条件つきで答申を認める」などの意見が出た。

 河上正二委員長は「ぎりぎりセーフという感覚。川口次長の説明は1つの考え方として筋が通っている。法律家の間でも、万全という人はいないが、ダメという人も少ないだろう」と話した。

<最優先される安全性確保>
【解説】

 2日の本会議で合意できなかったものの、9日の会合では1部の委員を除き、答申することで一致した。この1週間、消費者委員会の委員間で意見交換してきたこともあるが、消費者庁の川口次長が直接説明したことが影響したとみられる。「制度上で問題があれば、2年以内であっても必要な措置を取る」などの踏み込んだ発言もあり、多くの委員が納得したようだ。

 本会議では法律論が幅を利かせた。法的基盤は強固な方がよいが、より重要なのは所管官庁が制度を的確に運用できるかどうか。そして、新制度を定着させるためには、安全性確保対策がもっとも重要となる。もしも健康被害が多発すれば、新制度への批判は高まり、信頼を失うのは必至。このため、消費者庁の施策は安全性確保を優先した内容となっている。消費者委員会の答申書も、安全性確保を重視する考え方が色濃く反映された。

 新制度の恩恵を受ける関係業界は、消費者側の安全性確保を求める思いを真摯に受け止めることが大切だ。たとえば、新制度の対象からビタミン・ミネラル類が除外された。この背景には、国の栄養政策と矛盾が出ないように配慮しただけでなく、米国でビタミン・ミネラルによる有害事象が多発した事実を踏まえて安全性確保に万全を期したことがある。それにも関わらず、1部の健康食品業界団体はビタミン・ミネラル類も対象とするように働きかけている。そこには、消費者のために安全性確保を最優先するという姿勢は見られない。

 また、消費者委員会の議論は、機能性の科学的根拠の有無によって、いわゆる健康食品が区分されることを熱望している消費者側の思いを印象づけた。しかし、この点についても、通販業界の団体が関与成分を明確にできないような商品でさえも、新制度の対象とするように要望するなど、業界側は消費者目線に立てないでいる。

 消費者庁の検討会や消費者委員会で行われた新制度をめぐる議論。それらを通して、市場が進もうとしている方向性を敏感に感じ取った企業も少なくないだろう。そうした企業が今後の関連市場をリードすると予想される。

(了)
【木村 祐作】

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