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2014年02月18日

新・機能性表示制度で市場はこう変わる!(6)

(株)グローバルニュートリショングループ 代表取締役 武田 猛 氏

<ドラッグストアを中心に売り場が変わる>
 すでに述べたとおり、日米市場では販売チャネル、売れ筋成分・素材が大きく異なっている。その主な理由に、機能性表示の可否がある。新制度の導入によって機能性表示が可能となることで、市場が米国型に近づくことは十分に想定される。特に、ドラッグストアを中心とした店舗での売り場づくりが、大きく変わると予想される。

 また、これまでは成分・素材のイメージやストーリーを通じて、企業はベネフィットを訴求してきた。だが、科学的根拠に基づく表示が可能となれば、同じ成分でも複数の訴求が可能となり、需要拡大も予想される。

 図は米国で販売されているオメガ3脂肪酸サプリメントの主な訴求ごとに、商品を整理したもの。日本の市場をみると、オメガ3(DHA)の訴求は「血液サラサラ」や「脳の健康」程度にとどまるが、米国では実に多様な品ぞろえがみられる。オメガ3サプリメントの日米市場の成長率は大きく異なっており、2001年当時は両国とも約100億円前後であったが、11年には米国が約1,150億円、日本が213億円と5倍以上の差が開いた。

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<CMに惑わされない「賢い消費者」が増加>
 新制度で表示の範囲がどこまで可能となるのかは未定だが、米国DSHEA(ダイエタリーサプリメント健康教育法)は「教育法」であり、消費者教育について以下のとおり定めている。

・FDA(米国食品医薬品局)は、原料・製品に関する科学的根拠について、消費者を教育するための情報提供を認める。
・記事や書籍の一部、科学的文献、その他の第三者による出版物等の利用が可能。
・販売者は上記の書籍、出版物を販売することが可能。

 しかし、以下の条件を満たす場合に限る。
・虚偽でないこと、また誤解を招くものではないこと。
・特定のメーカーのブランドを推奨するものではないこと。
・複数の科学情報を提示するなど、バランスの取れた見方を提供すること。
・商品と物理的に離して展示すること(Webは2クリック以上離す)。
・上記情報を商品そのものにステッカーなどで追記しないこと。

 消費者の知識が向上すると、消費者は自分自身にとって必要な成分を自ら選べるようになり、その成分を含有する商品群から好きな商品を選ぶことが可能となる。

 また、情報提供ができることによって、需要の喚起も期待される。下記は12年9月に(株)インテージが実施した消費者調査の結果である。

・健食摂取意向はあるが未利用の理由
 価格が高いから                  52.7%
 本当に効果があるか、疑問に思うから    49.9%
 どの商品を選べばよいかわからないから  34.8%
・対処意向はあるが、健食摂取意向なしの理由
 効果があるか、疑問に思うから        44.7%
 価格が高いから                  44.7%
 健康食品・サプリメントに頼りたくないから  24.5%

 健康食品を摂取する意向がある未利用の利用者に対して正しい情報を伝えることが可能となった場合、効果に対する疑問はある程度解消され、自分に必要な成分(素材)を理解して、合理的に商品を選ぶことが可能となるだろう。また、健康食品を摂取する意向のない層に向けても、理解を得るための啓発が可能となるはず。健康食品の成分・素材の正しい情報を提供することにより、利用者が増えることは十分に期待できる。

 一方で、消費者は容易に知識を得ることができるため、企業との情報の非対称性が解消され、CMやイメージに惑わされることもなく、冷静に商品選択できる「賢い消費者」になるだろう。米国にDSHEAが導入された1994年当時と異なり、現在はITが進化・普及している。このため、日本の消費者の変化は94年当時の米国よりも、はるかに速いものになると考えられる。

(つづく)

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