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2014年04月28日

新・機能性表示制度 主張&提言!(19)

(株)ファンケル 代表取締役社長執行役員 宮島 和美 氏

<適切な商品選択のために、ひと目でわかる機能性表示を>
 ――消費者庁の「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」に産業界代表委員として参加しているが、どういうスタンスで臨んでいるのか?

miyajima 検討会では、消費者目線で発言するように心がけている。また、新制度は消費者にとっても企業側も理解しやすいシンプルな制度であるべきだ。米国のケネディ大統領が提言した消費者の権利に「知る権利」が含まれることが象徴するように、消費者が適切に商品選択するためには、正確な情報が必要だ。消費者にとってわかりやすい表示を行なうことが、適切な商品選択につながり、消費者の利益になる。健康食品に関しては、これまで健康被害や訪販やマルチでの強引な売り方など悪い面ばかりが強調されてきた。しかし、本来は健康維持や病気の予防に役立ち、健康寿命を延ばして医療費削減にも寄与するなどポジティブな面の方が大きい。一般の方にも良い面がきちんと伝わるようにしていきたい。

 ――わかりやすい表示とは、どのようなものか?

 宮島 消費者が店で商品を選ぶ際に、どこを見るかというと、商品名とその周辺だ。そこにわかりやすく機能性を表示することが、商品選択に役立つ。パッケージは字の読めない人でも選べるようにするのが基本。そこまでいかなくても「パッ」とわからないと意味がない。

 ――現在、消費者は適切な商品選択が困難か?

 宮島 当社には、健康食品に関するお問い合わせが、年間で約16万件寄せられている。このうちの8割は「どういう働きがあるのか」など商品の機能性に関する質問だ。消費者は、それだけ機能性が表示されていないことに、不満や不便を感じているということだ。しかし、現状ではそうした相談に対し、具体的にお答えすることができない。事業者として、製品に関する説明責任を果たせておらず、非常に問題だと考えている。

 ――検討会で宮島委員は、「関与成分が明らかなものを今回の制度の対象とする」という消費者庁案に対し、反論しているが?

 宮島 消費者庁は「関与成分」を特定し、その安全性を担保しないと、新制度の対象としないとの方針を示している。しかし、「関与成分」の具体的な定義と対象成分はあいまいなままだ。4月4日の検討会のなかで事務局(消費者庁食品表示企画課)に依頼したが、早急にこれを示して欲しい。現状では市場の健康食品のうち、具体的に何パーセント程度が制度の範囲内となるのか不明だ。生鮮食品や加工食品、飲料はどうなるのかもわからない。言葉の定義は極めて大切だ。これがあいまいだと解釈が何通りも出て混乱のもととなる。解釈が不明な状態では、事業者は制度の準備もできない。また、3回目の検討会で「関与成分」の定義を質問したが、トクホの「関与成分」と同じであるとの説明があった。そうなると、新制度は必然的にトクホの自己認証型に近い制度設計となる。果たしてこれは当初の目的や閣議決定に沿っているのかという問題もある。むしろ規制強化となってしまう。新しい制度がスタートし、「関与成分の要件を満たさないので、ほとんどの食品は対象外でした」ということになれば、一体何のための制度かわからない。健康食品の安全性基準のハードルを上げて、消費者を保護するという目的からも大きく外れる。
 
  ――検討会では消費者意向等調査結果が公表されたが、調査結果から何を感じたか?

 宮島 従来の概念に捉われ過ぎており、驚くような新しい発見はなかった。調査のコンセプト、仮説の立て方がどうなっていたのか。また、本来ならば、ネット調査は副次的にして、面談での大規模なグループインタビューをじっくりと行なうべきだったと思う。そうでないと傾向を把握するだけで、本当に貴重な声が出てこない。当社でもお客様からの声をお聞きする際は、必ず経営トップが直接ご意見を伺うようにしている。調査結果には、子どもを持つ保護者などで、いわゆる健康食品に対する誤認もあったが、子どもにサプリメントを摂取させることにはそもそも問題があるのではないか。成長期の子どもには、しっかりとした食事を家庭で食べさせるべきだろう。

【聞き手・文:木村 祐作】

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