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2013年09月24日

新たな機能性表示制度をめぐる”絵空事”(後)

<協議会への不信感>
 9月3日に開かれた健康食品産業協議会の臨時総会で、「健康機能表示食品ガイドライン(仮称)作成委員会事務局活動」が議題に挙がった。しかし、その詳細は説明されなかったようだ。
 また、臨時総会では、各業界団体が拠出金として10万円を出すことでほぼ合意。出席した複数の関係者は、拠出金の使途についても明確な説明はなかったと口をそろえる。ある団体の幹部は、「政治家への働きかけで拠出金を使うような雰囲気だったが、不透明なので不信感が募る」と疑心暗鬼だ。他団体の関係者も、拠出金の使途について「よくわからない」としている。

 ところが、臨時総会の直前に開かれた、同協議会加盟の某業界団体(団体Xとする)の会合では、ガイドライン作成について具体的な話し合いがもたれた。
 「日本抗加齢医学会がガイドライン作成の受け皿になるために、事務局体制や活動資金を考えるべき」、「(ガイドライン作成を支援するために)まずは各団体から10万円を徴収」といった意見が出たという。

 このように団体Xでは、各団体から資金を出させてガイドライン作成に使う案が、議論の俎上に上っているようだ。団体Xは、所属メンバーが同協議会の幹部を務めるなど、その影響力は小さくないと指摘される。もし今後、拠出金がガイドライン作成に使われることになれば、団体Xなど一部グループの狙いどおりに、事が運んだと言えよう。

<”絵空事”に注力する業界代表たち>
 日本抗加齢医学会を中心とするアカデミアの動きはどうか。関係者の間で出回っている資料によると、ガイドライン案の作成に向けて、スタッフの陣容や作成の方針が固まりつつあるようだ。

 ガイドライン作成委員会の陣容については、領域ごとに担当者や査読委員を配置する計画。循環器領域・消化器領域・脳神経領域・皮膚科領域・眼科領域・歯科領域などが予定されている。担当者も、ほとんどの領域で具体的な名前が候補に挙がっている。ガイドライン作成の方針については、(1)米国やEUでヘルスクレームが認められているものは原則採用、(2)米国・EU・韓国などのヘルスクレームが一致していないが、すでに一部で認められているものについては議論――などの案が示されている。

 学会側では具体的な動きが進行中、さらに業界団体も支援体制を模索し、多くの関係者が構想は実現可能と考えているようだが、事実は異なる。前述のように消費者庁には、一部のグループにガイドライン案の作成を依頼したり、協力を求めたりする考えはないとみられる。「フェアな制度」の構築を望めなくなるからだ。

 現時点では、一部の学会と業界団体が描く構想は、”絵に描いた餅”にすぎない。問題は、実現の見込みがない取り組みに、業界団体が資金を投入する恐れがあること。「たいした金額ではないから」という声もあるが、各団体にとって10万円は貴重な財産。さらに、いったん動き出すと、拠出金が増加する可能性も否定できない。

 財政を無駄遣いするようなことになれば、各団体の傘下企業から批判が出るのは必至。すでに、「意味がないところに拠出金が流れるのでは」と懸念する声が出始めている。

 政府内では、新制度の導入に向けた準備が急ピッチで進められている。業界にとって極めて重要な時期に、業界代表たちが”絵空事”に時間と資金を注ぎ込む可能性が出ている。その場合、浮かばれないのは、業界団体に会費を納め、業界の未来を委ねている会員企業といえる。

(了)
【木村 祐作】

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