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2013年09月20日

新たな機能性表示制度をめぐる”絵空事”(前)

<学会がガイドライン案を作成?>
 新たな機能性表示制度の「ガイドライン」をめぐり、消費者庁に代わって、一部の学会が中心となってガイドライン案を作成するという構想が健康食品業界内で浮上している。そうした構想を実現可能と考える業界関係者も多いが、現時点では”絵空事”に過ぎないことが19日までに、NET-IBの取材でわかった。

 6月14日の閣議決定を受けて、消費者庁は「米国ダイエタリーサプリメント制度」を参考に、新たな機能性表示制度を整備する方針を固めた。新制度の根幹となるガイドラインは、消費者庁が案を作成し、今後設置する「検討の場」で各界の代表によって議論される。ガイドライン案では、機能性表示の裏づけとなる科学的根拠の水準や、可能な表示内容などを示す。このため、消費者庁は今秋から消費者意向調査を実施する。調査結果を踏まえ、ガイドライン案を作成する。その際に、特定のグループに作成を依頼する計画は含まれていない。

 ところが、ガイドライン案の作成をめぐり、業界内ではまったく異なる方向の議論が行なわれている。9月3日に開かれた健康食品産業協議会(8業界団体で組織)の議題に、「健康機能表示食品ガイドライン(仮称)作成委員会事務局活動」が挙がった。出席した関係者は、「日本抗加齢医学会を中心にガイドラインを作成するという話だと思うが、それに対して協議会がお手伝いするということ」と説明する。別の出席者は、「業界が関与する可能性があり、費用も発生するかもしれない」と話す。出席者によって、今後の動向に対する受け止め方に温度差があるようだ。

<業界が学会を”サポート”?>
 同協議会関係者らの話を整理すると、日本抗加齢医学会を中心とするアカデミアのグループが、消費者庁に代わってガイドライン案を作成、業界団体がそれを支援する、という方向にあるようだ。雲をつかむような話だが、実現可能と考える業界関係者は多い。その背景を紐解くと、日本抗加齢医学会の理事たちの発言がある。

 規制改革会議の森下竜一委員(日本抗加齢医学会・理事)は6月28日の講演で、新制度のガイドライン作成について、日本抗加齢医学会が積極的に協力する方針を決定したと報告した。9月12日の日本栄養評議会(CRN JAPAN)の勉強会では、日本抗加齢医学会の斎藤一郎理事(鶴見大学歯学部病理学講座教授)が、さらに踏み込んだ発言を行なった。新制度に言及し、「これを日本抗加齢医学会が評価していこうという形で話がまとまっている」と説明。「今まで消費者庁がコントロールしていたものが、アカデミアに、学会に投げられ、我々が何らかの委員会を作って、そのなかでデータをいろいろ評価していこうと…」などと述べた。

 これらの発言が、学会理事から相次いで飛び出したことで、多くの業界関係者は、その方向に話が進む可能性があると考えているようだ。

 しかし、消費者庁の計画は前述のとおり。消費者意向調査結果を踏まえ、消費者庁がガイドライン案を作成。学識経験者・業界関係者・消費者代表などで組織する「検討の場」で、議論することになる。消費者庁のスタンスは、閣議決定後から一貫している。「フェアな制度を整備する」という方針だ。業界内からも、「一部の学会や業界団体が関与すると、フェアでなくなる」と懸念する声が出ている。

 同協議会の臨時総会で挙がった議題は、前述の出席者が指摘するように、日本抗加齢医学会を軸に進めているとみられる。それに対して同協議会が”サポート”する方向にある、というのが多くの関係者の一致した見方だ。

 同協議会の場では、業界が行なう”サポート”の内容は明らかにされていない。だが、同協議会に加盟する某業界団体では、生々しい議論が展開されたという。臨時総会でほぼ合意された「使途不明の拠出金」に絡んでくる可能性もあるようだ。

(つづく)
【木村 祐作】

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