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2013年10月07日

新たな機能性表示制度の方向性と課題(前)

<「第三者認証は技術的に不可能」(消費者庁・塩澤調査官)>
 食品の新たな機能性表示制度で、消費者庁食品表示企画課の塩澤信良・食品表示調査官は7日、都内で開催されたシンポジウムで講演し、国が関与する第三者認証制度の導入について「技術的に不可能」との考え方を明確にした。新制度のガイドライン案の作成を一部学会に依頼するという、業界内で浮上している話についても「まったく考えていない」と語った。業界関係者を前に、消費者庁の担当官が方向性を明確化したことで、業界内でみられていた情報の錯綜が解消されそうだ。

 シンポジウムは国際栄養食品協会(AIFN)などが主催。「日本における栄養補助食品有用性の消費者理解促進を目的とした表示拡大のための政策検討会」と題し、国内外の政府関係者や業界・消費者の代表が講演した。消費者庁の塩澤調査官は、新たな機能性表示制度の検討の方向性を解説。制度設計の主な課題に、(1)安全性の確保、(2)機能性表示(有効性の科学的根拠)、(3)表示内容、(4)対象とする機能性表示の範囲、(5)届出制――を挙げた。

 安全性の確保について、塩澤調査官は「最重要の課題と考えている」と述べた。機能性表示では、有効性を裏づける科学的根拠の要件がポイントとなる。表示のあり方については、消費者が誤認しない表示内容を検討する。また、米国のダイエタリーサプリメント制度のように構造・機能強調表示だけを対象とするか、疾病リスク低減表示も含めるか、という点を整理する。届出制については、米国では販売後30日以内の事後届出制となっているが、「事後でよいか、事前届出制にするか。また、どのような項目を、どのような方法で届け出てもらうかなどを議論したい」と話した。

 質疑応答で、一部の業界団体が要望する国が関与する第三者認証制度の導入について、塩澤調査官は「消費者庁として極めて難しいと考えている」と述べた。その理由に、技術的な面を挙げた。「評価するポイントがはっきりと確立されていて、誰が評価しても同じような結果になるのなら、国の代わりに第三者機関が評価することもあり得る。しかし、そうではないもの(機能性評価)については、第三者機関に委ねて評価してもらい、その結果を国の評価結果と同等とみなすことは、制度として極めて難しい」と指摘。新制度は成分ベースの評価を基本とするため、「世界中の論文をどのようなキーワードで、どのような雑誌から、どのように対象者の属性を設定して抽出するのか。そして、抽出した論文をどう評価するかは科学的に確立できていない。これらを踏まえ、国がお墨付きを与える第三者認証制度は不可能と言わざるを得ない」と、消費者庁の方針を明確化した。

 第三者認証制度の導入が困難なもう1つの大きな理由として、閣議決定の内容に合致しない点を挙げた。閣議決定では、企業の責任のもとで表示できる制度を検討する方針が示されている。しかし、国が特定の団体にお墨付きを与える第三者認証の場合は、「国の責任となり、企業の責任とならない。閣議決定の内容に合わない」と説明した。

 さらに、一部のアカデミアグループが国に代わって、新制度のガイドライン案を作成する、という話が業界内で出ていることについても見解を示した。塩澤調査官は「消費者庁として特定の学会にガイドライン案の作成を依頼することは、今のところまったく考えていない」と明言。近く実施する消費者意向調査の結果をもとに、消費者庁が案を作成する方針とした。「(消費者庁が作成する案を)オープンな場で示し、事業者代表・消費者代表・学識経験者の議論によって、フェアな制度を作る」というスケジュールを示した。

(つづく)
【木村 祐作】

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