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2014年06月06日

抗加齢医学会「構想」を考察(4)

<「我田引水?」の声も>
 日本抗加齢医学会による機能性表示「データブック」作成と、その先にある日本抗加齢協会による第三者認証制度。こうした構想を打ち出し、業界団体と一緒に進めてきたのが抗加齢医学会の森下竜一常務理事だ。森下氏は、政府の規制改革会議委員でもある。昨春の規制改革会議で、機能性表示の容認を政府に要望したことで、健康食品業界では知らない人がいないほどの有名人となった。

 業界関係者のなかには、「機能性表示を勝ち取ってもらった森下さんに感謝している」と口にする人も。勝ち取ったのが森下氏かどうかの真相は、「知る人ぞ知る話」として置いておく。少なくとも政府に要望し、関係省庁と議論を戦わせたことは周知のとおり。その後、森下氏は業界団体のイベントに立て続けに招かれるなど、一躍時の人となった。

 その一方で、業界内外から「我田引水にあたらないのだろうか」の声も浮上している。某業界団体の幹部は、「森下氏は政府の規制改革会議委員でありながら、あそこまで業界に入り込んできている。自分(抗加齢医学会)たちの目指したい方向に業界を引っ張り込むのはどうか」と首を傾げる。また、流通業界の関係者は「新制度の導入にともなって、新たな利権の温床が生じないか不安」と懸念している。

 東京・霞ヶ関の政府関係者は次のように解説する。「政府の委員が(結果的に)我田引水を行なうケースであっても、だれかが全体の利益のために発言(要望)する場合は問題ない。しかし、一部の利益のためになるようなケースで国に要望し、そして実際に業界に首を突っ込むことは利益相反になるのではないか」。

 さらに、健康食品に詳しい学識経験者は、「抗加齢医学会にとってはデータブックを作るだけでもメリットがあるのではないか。業界の注目を集めることで、(いろいろな面で)協力を求めやすくなるだろう」とにらむ。もし、第三者認証制度を構築すれば、より大きな利益が期待できると予想している。

<抗加齢医学会への質問>
 NET-IBはこうした業界内外の疑問を明確にすることを目的に、森下氏に取材を申し入れたが、大会前の多忙を理由に実現していない。そこで、抗加齢医学会に対して質問を送った。

 主な質問内容は、(1)データブックと新制度は関係するのか、(2)ガイドライン作成や第三者認証制度について、「新たな利権」の可能性を懸念する声があるが、どうか、(3)「抗加齢医学会の我田引水か」との指摘もあるが、どうか――など。これらの疑問点に対する抗加齢医学会の見解を求めた。これに対し、5月20日に森下氏から、以下の返答があった。

 「機能性成分のデータブック編集は、抗加齢医学会が独自に行うものであり、消費者庁の機能性表示の新制度は、直接関係したものではありません。また、データブック編集後、どのような形で、データブックを活用するかも、まだ決まっていません。姉妹団体である抗加齢協会において、データブックの活用を検討はしておりますが、こちらもまだ具体的に決定したことはありません。したがって、現時点では、残念ながら、ご質問に直接答えるご回答をもっておりません」。

 抗加齢医学会がデータブックを作成することも、認証制度を立ち上げることも彼らの自由だ。だが、昨夏JHNFAが引き起こした業界内の混乱が、再現されつつある。抗加齢医学会の動向が注視されるなか、森下氏が会長を務める第14回日本抗加齢医学会総会が、今日から始まる。

(了)
【木村 祐作】

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