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2014年06月03日

抗加齢医学会「構想」を考察(1)

日本抗加齢医学会の第14回総会が6~8日、大阪国際会議場で開催される。抗加齢医学会が作成する健康食品の機能性表示「データブック(ガイドライン)」関連の発表も予定されている。抗加齢医学会は、消費者庁が来春に導入する新・機能性表示制度をにらんだ取り組みとして、データブック作成を関連業界にアピール。健康食品の8業界団体も全面協力し、二人三脚で取り組んでいる。データブック作成の先には、業界団体と連携した第三者認証ビジネスの構想もちらつく。抗加齢医学会の”構想”を考察する。

<日本抗加齢協会が上部団体の第三者認証制度>
 業界内には、「学会のお墨付きがあれば、安心して機能性を表示できる」という声がある。本当だろうか?NET-IBは真相を確かめるため、抗加齢医学会常務理事で、政府の規制改革会議委員の森下竜一氏に取材を申し込んだ。しかし、総会前の多忙を理由に、近日中の取材は実現しなかった。そこで、抗加齢医学会の「健康食品機能表示ガイドライン委員会」に参加している複数の関係者に話を聞いた。

 抗加齢医学会は4月30日、「第3回健康食品機能表示ガイドライン委員会」を都内で開催した。健康食品に使用される素材(成分)の機能性を評価したデータブックを作成するための会合だ。

 参加者の話によると、データブック作成に向けて、「代謝内分泌」「消化器科、免疫」「循環器科」「口腔」「脳神経」「整形外科」「婦人科」などおよそ10の領域を設定。各領域に効果を発揮する機能性素材を選定する計画だ。それぞれの素材(成分)の機能性に関する科学的エビデンスなどを評価し、素材(成分)ごとのデータ集として取りまとめる方向にある。

 会合には、抗加齢医学会から坪田一男理事長、森下竜一常務理事をはじめとする関係者が出席した。業界からは「健康と食品懇話会」「日本健康・栄養食品協会(JHNFA)」など8業界団体の幹部がこぞって参加。このなかには、消費者庁の検討会の業界代表委員も含まれる。

 NET-IBが入手した第3回会合で抗加齢医学会が配布した資料では、データブックに準拠した健康食品を「抗加齢医学会データブック準拠機能性健康食品」に認定する構想が示されている。
 さらに、「民間第三者認定の流れ(案)」として、抗加齢医学会の姉妹組織である「日本抗加齢協会」が上部団体となり、実際に商品を認定する「認定機関」(下部団体)の例にJHNFAを挙げている。

 抗加齢医学会のデータブックをもとに、抗加齢協会が指定した団体が個々の商品を認定するという枠組みを想定。認定商品にはマークを付与する考えも示された。その一方で、「抗加齢協会が責任を取らないで済む方向で検討するべきだ」という意見が出るなど、流動的な部分もある。

 参加者の話を総合すると、こうした取り組みは、消費者庁が導入する新・機能性表示制度に対応するためのものと位置づけられている。データブックをもとに第三者認定機関が認証し、機能性表示にお墨付きを与えるというイメージだ。

 データブックは年内にもオンラインで公開し、来春をめどに冊子を発刊する予定としている。

<データブック、新制度では利用困難?>
 抗加齢医学会の取り組みに関心を寄せる企業は少なくない。「認証してもらえば、安心して機能性が表示できる」と期待する声も聞かれる。ところが、抗加齢医学会の取り組みと消費者庁の新制度に、今のところ、接点はほとんどないとみられる。

 消費者庁の新制度では、企業は関与成分について、機能性に関する原著論文(一次論文)を世界中のデータベース上から収集し、「システマティック・レビュー」によって総合的に評価することが求められる。

 新制度のもとでシステマティック・レビューを実施する場合、個々の商品・成分によって条件が異なるため、条件を絞り込んで行なうことが必要となる。一方、抗加齢医学会データブックは素材(成分)ごとのデータ集を想定しており、消費者庁案と大きな隔たりがある。
 ここで問題になるのは、抗加齢医学会が個々の商品・成分の特性に合わせて、どこまでピンポイントで絞り込み、原著論文によるシステマティック・レビューを実施するかどうかだ。

 一般的に、データ集はおおざっぱな括りとなることから、新制度で利用できるケースは限られると指摘される。システマティック・レビューに詳しい関係者は、「個々の商品の個別条件とデータブックの内容が、たまたま一致するケースも考えられなくもないが、基本的に利用することは困難かもしれない」との見解を示す。

(つづく)
【木村 祐作】

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