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2015年05月08日

再考・機能性表示食品『蹴脂粒』問題(前)

<検討会で食品安全委員会から意見出ず>
 機能性表示食品として受理されたサプリメント『蹴脂粒』((株)リコム)をめぐる問題を再考する。

 食品安全委員会の新開発食品専門調査会は特定保健用食品(トクホ)の安全性評価で、同商品について「提出された資料からは安全性が確認できない」と判断。このことから、消費者団体やマスコミ各社は、機能性表示食品として受理することも問題だと批判している。

 これに対し、記者は「機能性表示食品『蹴脂粒』をめぐる問題(前)~(後)」(詳細)で、的外れな批判であると指摘した。届出情報に疑義があれば、消費者庁へ申し出ればよい。しかし、「トクホで却下」イコール「機能性表示食品もだめ」という短絡的な考え方は、機能性表示食品制度の趣旨を無視したものだ。

 機能性表示食品制度の制度設計の議論で、トクホの評価結果のリンクを求める意見が出たのだろうか?2013年12月から8回にわたって開催された消費者庁の「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」の議論を振り返る。

 同検討会には、初会合を除く7回の会合に食品安全委員会の担当官も参加。しかし、記者の取材記録にも、検討会の議事録にも、食品安全委員会の担当官による特段の発言は記録されていない。少なくとも、「トクホの評価結果を要件とすべき」という議論はなかった。
 このため、報告書でトクホの評価結果は機能性表示食品の要件として位置付けられなかった。食品安全委員会も要望しなかったわけである。また、検討会委員として2人の消費者代表が参加していたが、報告書を支持することで合意している。つまり、8回もの会合を重ねた検討会の場で、トクホの評価結果をリンクさせることは必要とされなかったのである。当然ながら、3月31日に公表された「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」でも、トクホの評価結果を届出要件としていない。

 既存の類似商品(いわゆる健康食品)も流通禁止にしなければならないほどの安全性の問題があるのならば話は別だが、食品安全委員会の同調査会の結論はそうしたものではない。あくまでも、トクホとして許可するためのデータが不足しているという指摘だ。

 『蹴脂粒』をめぐるヒステリックな消費者運動家の主張や大手マスコミによる報道は、機能性表示食品制度の趣旨を逸脱した方向へと導いているようだ。

(つづく)
【木村 祐作】

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