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2013年07月05日

健康食品の機能性表示制度、消費者庁「第三者認証はあり得ない」

<見送った理由「十分条件を満たせず」>
 いわゆる健康食品の機能性表示を実現するため、政府の規制改革会議が要請していた「第三者認証制度」について、消費者庁は5日、同制度を見送った理由を明らかにした。

 国がお墨つきを与える第三者認証制度を整備する場合、公正・公平に運用するために、いくつかの条件が求められる。とくに、重要となるのが、(1)機能性の評価で公正・公平に判断できるように、利益相反を可能な限り排除すること、(2)企業の申請案件について、第三者認証機関がチェックしやすい明確な基準が示されること――などがある。

 消費者庁によると、利益相反の排除については「難しいが、努力することは可能」と説明する。一方、「どのような、どれだけの科学的根拠があれば、機能性を評価できるという指標がない」と指摘。「これだけの科学的データがあれば十分という条件を策定することは極めて困難」としている。消費者庁では「そうした状況のなかで、国が民間の機関を第三者認証機関と認めて、付与することは制度論的にあり得ない」と判断、同制度の見送りを決めたという。

 また、海外諸国をみても、機能性表示については、国が関与する第三者認証制度を構築したケースは見当たらないと話す。消費者庁は「米国のダイエタリーサプリメント制度」を参考にしながら、新たな機能性表示制度を整備する方針を決定している。

<第三者認証制度の見送り、業界関係者の懸念を払しょく>
[解説]
 政府は6月14日、「規制改革実施計画」と「成長戦略」を閣議決定した。そのなかで、いわゆる健康食品の機能性表示を実現する方針を示した。検討の際には、「米国のダイエタリーサプリメント制度」を参考にすることも明記された。一方、業界側が要請していた「第三者認証制度」は盛り込まれなかった。さらに、6月20日の国会質疑で、森消費者相は「機能性評価は、決まった規格に当てはめて個々の製品を評価するものではなく、内容がさまざま」とし、明確な評価基準を設定することは困難との見解を示した。閣議決定の内容や担当大臣の国会答弁から、第三者認証制度の選択肢は事実上消えたと言える。
 
 第三者認証制度をめぐる議論で、前述のように、利益相反の排除について消費者庁は「努力することは可能」と話す。しかし、公正・公平さが求められる第三者認証機関に、業界団体がなった場合はどうか。

 規制改革会議では、業界団体の日本健康・栄養食品協会(JHNFA)からヒアリングするなど、JHNFAが第三者認証機関になることを想定した議論が展開されていた。だが、そうした方向性に対し、懸念を抱く業界関係者は少なくなかったようだ。

 JHNFAは健康食品分野の最大の業界団体。2013年4月末現在で会員企業687社、賛助会員9社を誇る。会員企業の利益をはじめ、業界の利益を考えて活動している。そうした業界団体が、第三者機関となった場合、「本当に公正・公平な制度か」と消費者サイドが戸惑うのは必至。しかも、健康に直結する機能性表示を取り扱うわけだから、消費者団体など各方面から批判が強まると予想される。第三者認証制度を導入したものの、消費者から支持されなくなれば、業界全体のダメージは計り知れない。そうした声が業界内で聞かれていた。当然、消費者行政にとっても汚点となる。

 今回、消費者庁は第三者認証制度を見送ることを明確にした。これにより、業界内で出ていた前述のような懸念は、取り除かれたと言える。だが、米国のダイエタリーサプリメント制度を踏襲した新制度の構築についても、多くの課題が山積している。消費者庁をはじめとする関係省庁には、広い層の消費者と産業界の両方が納得するような制度設計が求められそうだ。

【木村 祐作】

 

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