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2014年07月31日

システマティック・レビューを知る(6)

(有)健康栄養評価センター 代表取締役 柿野 賢一 氏

 

<PRISMA声明やコクランレビューハンドブックへの準拠>

 「システマティック・レビューはたいへんだ」という情報が独り歩きしている。しかし、新たにRCTを実施するためにかかる数千万円ともいわれる費用を考えると、大幅に割安となる。なぜならシステマティック・レビューでは、RCTのように多数の被験者への報酬や臨床検査のための多額の費用が発生しないからだ。

 システマティック・レビューとは、これまで述べてきたように、国内外の学術論文をパソコンなどによって検索・収集し、決められた手法によって総合的に評価する手法。つまり100%作業のみとなる。だから、企業内に経験豊かな研究者がいれば、1企業でも十分に対応できる。しかし、一般的には外部に委託するケースも予想される。

 今後は様々な研究機関が、システマティック・レビューを受託する事業に乗り出すのではないかと思われる。その際、研究に携わるメンバー・機関が研究テーマに関して利益相反のないことが、結果の公平性・客観性を確保するために重要となる。

 新・機能性表示制度の検討会報告書(案)では、システマティック・レビューの実施者を定めないとしている。ただし、実証責任は、表示しようとする最終製品の事業者が負うこととなり、結果の客観性や透明性も含めて事業者が担保しなければならない。
 同じような研究内容を対象としたシステマティック・レビューであっても、コクラン共同計画によるものと、製薬企業によるものの「質」を評価した場合、企業スポンサーによるシステマティック・レビューは方法論が明らかでない部分が多く、扱っている薬剤に対して好意的な結論を出す傾向が示されたとする報告※もある。そのようなことが起きない、または疑われないために、”利害関係のない第3者”に委託することも一つの方法として考えられる。

 また、利害関係のある企業スポンサーや、一部のレビュー作業を利害関係のある研究員が行う場合、「PRISMA声明」に準拠すること、さらに定量的に統合する場合には「コクランレビューハンドブック」に準拠することが望ましい。すべてのプロセスを可視化するために、あらゆる配慮を払うことが信頼性を高めるうえで必要と考えられる。

※Cochrane reviews compared with industry supported 25 meta-analyses and other meta-analyses of the same drugs: systematic review. BMJ. 2006 Oct 14;333(7572):782.

(了)

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