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2014年07月25日

システマティック・レビューを知る(2)

(有)健康栄養評価センター 代表取締役 柿野 賢一 氏

<「コクランレビュー」などを活用した事前調査も大切>
 システマティック・レビューを行う場合、どのように進めればよいのだろうか。大豆イソフラボンを原料に用いた商品に機能性を表示するケースについて考えてみる。まず、大豆イソフラボンがもついくつかの機能性のうち、どの機能性に着目して表示するのかを定める。たとえば「骨の健康維持」など、具体的に設定しなければならない。

 システマティック・レビューを実施するにあたり、事前調査を行うことで作業効率が上がる。その際、信頼できる第3者のデータベース(2次情報)を活用するとよい。信頼できるデータベースには、コクラン共同計画によって作成されたシステマティック・レビュー(コクランレビュー)がある。このデータベースは、世界で最も信頼できるシステマティック・レビューと言われている。食品素材の機能性についても、いくつか公表されている。もし、ターゲットの成分が掲載されていれば、システマティック・レビューを進めるうえで強力な参考資料となる。

 ナチュラルメディシン・データベースも事前調査のための参考資料として有効だ。これは米国発祥の世界最大級のデータベース。健康食品の有効性と安全性、医薬品や他の食品との相互作用、服用量の目安などを網羅している。有効性などのレーティング判定(格付)には、システマティック・レビューが用いられている。米国のFDA(食品医薬品局)やNIH(国立衛生研究所)をはじめ、世界各国の政府機関が採用。日本では日本医師会などが公式採用している。

<前提は作用機序が明らかなこと>
 ターゲットにする成分の評価結果が、これらの第3者のデータベースに掲載されていない場合は、一般的な文献データベースを事前調査のために活用する。たとえば、「Pubmed(パブメド)」というデータベースで、成分名(英語名・学術名)と機能性を英語で入力すると、その成分に関する様々な学術論文がヒットする。そのなかで、RCTを評価対象としたシステマティック・レビューの学術論文がヒットすることもある。
 重要なのは、関与成分と訴求する機能性を具体的に設定して、2次情報などでどう評価されているのかを事前に把握することである。

 そのためには、関与成分の作用機序がわかっていることが前提となる。関与成分の機能性に関するシステマティック・レビュー論文が見つからなくても、その関与成分と同じ作用機序をもち、研究数が多い他成分(ライバル成分)について、事前に文献調査を行うことも役に立つ。研究のエンドポイント(有効性を示すための評価項目)がどう設定されていて、その場合の信頼性の高い指標は何か。また、対象者の範囲といった研究の納入基準・除外基準をどうするか――などを事前に見極めておくことも大切と言える。

 消費者庁の検討会報告書(案)によると、新・機能性表示制度では、疾病罹患者を対象に行われた研究の結果は機能性の根拠とならない。つまり、健常者や境界線上の人を対象とした研究の結果が、新制度で行うシステマティック・レビューの対象となる。

 報告書(案)で示されたこれらの点に十分注意しながら、研究テーマや文献の納入基準・除外基準をはじめとする必要事項を定めてから、システマティック・レビューを進めることになる。

(つづく)

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