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大文字会

 

第1回大文字会

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 2013年4月7日、大文字会は城山観光ホテルのオーキッドルームで発会記念記者会見を開催。その後、てまひま堂第12期決起会の式場内で発会式を開いた。会場では、事務局による発会宣言が読み上げられた。全国から駆けつけた同会発起人および構成メンバー約20人の紹介が行なわれた後、500人の来場者が見守るなかで祝賀の久寿球が割られた。

 

 4月8日、大文字会一行は、鹿児島県日置市にあるてまひま堂の健康食品GMP工場を見学に訪れた。同工場は2010年4月にオープンしたホンモノの商品づくりを目指す安心工場。参加者は2チームに分かれ、工場スタッフの丁寧な案内の下、ISOやGMP認証に守られた生産・製造システムを見学した。見学後、てまひま堂グループ「しゃぶしゃぶすきやき福わらじ」の黒豚しゃぶしゃぶのご馳走に舌鼓を打った。

 

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 第1回ホンモノ会議は、大文字会のメンバー20人をてまひま堂スタッフが取り囲む形で開催された。 (有)健康栄養評価センターの代表でコンサルタントの柿野賢一氏が座長を務めた。

daimonzi05 冒頭、(株)データ・マックスの児玉直社長は、「エビデンスから見たホンモノとは何か、存分に語り尽くしましょう」と挨拶し、「理念を貫徹しているような企業を増やしていくことが私どもの役割。国民の健康を守っていくための情報発信と企業サポートがホンモノのメディアだと確信している」と述べた。
 柿野座長は健康食品の市場規模の推移を紹介、「いわゆる健康食品」と呼ばれる一般の健康食品やサプリメント市場規模が05年を境に右肩下がりの傾向を示しているのに対し、国の許認可制度である特定保健用食品市場が拡大しているデータを示し、有効性と科学的データの位置づけがいかに市場で求められているかを指摘した。
 また同氏は「ニセモノ健康食品」の特徴として、(1)原材料の産地情報に不審な点がある、(2)原材料の有害物質などの分析データがそろっていない、(3)工場見学や原料産地の見学はできないなど企業秘密が多い――の3点を挙げた。「ニセモノをホンモノに見せるのがあなたの仕事でしょう」などと、過去に事業者から言われたエピソードなどを紹介し会場を沸かせた。
 この後、同文書院代表の宇野文博氏、三協副社長の石川伸行氏、グローバルニュートリショングループ代表の武田猛氏、通販コンサルの白川博司氏らと相次いで講演、ホンモノとは何かについて参加メンバーを交えたフリートークを行なった。


 

第2回大文字会

 大文字会の2回目の会合が7月15日、静岡県富士市で開催された。同会は消費者の安全・安心を考えた健康食品の提供を目指す原料メーカー、製造・販売メーカーらが集い「ホンモノとは何か」を考える勉強会。今回は、カプセル受託メーカー(株)三協(本社:静岡県富士市、石川俊光社長)の日の出工場を見学した。

 

 同社は1963年、三協機械製作所として静岡県富士市浅間上町に創業、今年50周年を迎えた。創業以来、ソフトカプセル自動機のパイオニアとして、世界へ200台を超える機械を納入してきたが、「実際に健康食品を製造してみなければ良い機械は生み出せない」とのこだわりから、自ら製造を開始することで受託製造業の道へと踏み出した。
 日の出工場は、先ごろ世界遺産に登録された富士のふもとに位置している。キーワードは「機械化」。人為的ミスをなるだけ少なくするために、徹底したオートメーション化を推進している。

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 大文字会の一行は午後1時30分に工場に到着。同社石川社長が編集したプロモーションビデオを視聴して50年の歩みを振り返った。
 その後、一行は2グループに別れ、同社スタッフの案内を受けて工場内を見学した。見学後に行なわれた第2回「ホンモノ会議」では、鈴鹿医療科学大学保健衛生学部教授で(一社)日本食品安全協会理事長の長村洋一氏が、「健康食品の品質確保と、消費者への伝達~最近の規制改革問題に絡めて」と題して講演した。

daimonzi25 同氏は、現在消費者庁で進められている機能性表示制度の確立に向けて、製品の品質と安全性確保の重要性を説いた。また、健康食品GMPの必要性を説く一方で、我が国におけるGMP基準の甘さを指摘した。
「世界的な流れとして健康食品会社のGMP取得は必須事項」とした上で、「質の悪いGMPは取得する意味がない。国際的規模での活躍するためには米国のcGMPの取得が必要」とし、cGMPを取得しやすくする必要があると述べた。
 さらに消費者への情報伝達の手段として、アドバイザリースタッフの養成と活用が有効だとした。
 フリーディスカッションでは、健康食品原料の同一性試験や安全性評価基準の必要性などが話題にのぼった。また、その前提として「健康食品」の定義を明確にしなければ議論は前に進まない、との点で一致をみた。

 


 

第3回大文字会

 消費者の安全・安心を考えた健康食品・サプリメントの提供を目指す原料、製造・販売における企業らが集い「ホンモノとは何か」を考える勉強会「大文字会」の3回目の会合が9月20日、岐阜県で開催された。今回は、健康食品・サプリメントの受託製造企業である(株)エフアイコーポレイション(本社:岐阜県岐南町、塩谷知明社長)の本社工場などを見学した。

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  同社は養蜂業出身の塩谷知明社長が1991年に岐阜県に創業。同県は健康食品製造企業が数多く参集する地域で、同社は約20年以上にわたり、「安全・安心で、付加価値あるものづくり商品」の提案を心がけた健康食品・サプリメントの受託製造事業を行なっている。参加者一行は午前10時30分に岐阜駅に集合。同社スタッフの送迎のもと、3グループに分かれ、本社工場および第2工場をそれぞれ見学した。昨年10月に完成した新社屋は営業本部と本社工場、品質管理棟を集約。層3階建ての社屋内は、塩谷社長のこだわりで、各工程がくまなく閲覧できるつくりとされており、外国からの来訪者が喜びそうな日本間の応接室や、さまざまな商品サンプルを展示したミーティングルームを設置。会議室にはリラックスできるスペースで、塩谷社長自らが腕を振るう大型厨房を設置している。今年3月には(一社)日本健康食品規格協会(JIHFS)のGMP認証を取得した。

 午後からは同会恒例の「ホンモノ(トコトン)」会議が開催された。会議は2部構成で行なわれ、 1部では塩谷社長より「ホンモノのトコトンとはなにか」をテーマに講演。同社の設立から事業概要に ついて話した後、今年度から同社の事業理念として進める「トコトンプロジェクト」について説明。 (1)最良の原材料、(2)ぜったいの!品質保証、(3)徹底的な安全管理、(4)付加価値の高い商品開発、(5)細やかな販売促進サポートを柱とし、受託製造業としての嘘偽りのないモノづくりとして飽くなき追求を推進していくことを示した。また営業、生産、品質管理において、各セクションの責任者がそれぞれ登壇。営業部では原材料について直接現地に赴き、品質や有用性について確認していることや、品質管理においては「消費者への最終窓口。自分の家族に出すつもりで厳格な管理体制を敷いている」とし、使用する原材料を含めた全ロット点検はもちろんの事「消費者と販売者を裏切らないよう、検査で少しでも気になる点や問題があれば、たとえ納期が遅れても、製造をやり直させている」と話した。

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 第2部では発起人の(有)健康栄養評価センターの柿野賢一氏を司会に、質疑応答を含むフリーディスカッションが行なわれ、参加者より「社員1人ひとりが自信を持って製造に取り組む社内姿勢を見て、製造をお任せするには安心感がある」「受託製造は消費者に直接接触のないにも関わらず、社員共々、正しい情報開示を共有しているところはなかなかできないこと」といった感想が述べられた。また今後の健康食品・サプリメント業界の展望について、製造側から見る、各原材料のトレーサビリティなど、より一層の管理体制を求める声や、米国では基準とされているcGMPの必要性、消費者庁で進められている「新・機能性表示制度」への対応なども話題に上げられ、品質・安全性確保が「トコトン」重要視され、その対応へ準備が急務であることが意見としてまとめられた。

 


 

第4回大文字会

しょう油の発祥地野田市を訪問

 大文字会の4回目の会合が2013年11月27日、キッコーマン(株)の野田工場で開催された。見学の対象となったのはしょう油の発祥地として知られる野田市に拠点を置くキッコーマン(株)の関連施設。コーディネーター役はキッコーマンのグループ会社キッコーマンニュートリケア・ジャパン(株)(本社:東京都中央区、森卓也社長)のスタッフの面々。同社は同年10月21日、40代からの女性向けサプリメント通販サイト「キッコーマン からだ想い」をオープンし、シリーズサプリメントの第1弾となる「基本のサプリ」以下6品目を展開中。同品はグループ会社であるカントリーライフ社(米国)で製造されている。カントリーライフ社は米国の製造工程管理基準cGMP (current Good Manufacturing Practice)認証を取得、さらに「キッコーマン からだ想い」シリーズはすべて「ハイクオリティ(HQ)認証」を取得するなど、徹底した品質管理を行なっている。

 

伝統と最先端の融合

daimonzi42 大文字会のメンバーは、午前10時に野田市駅に集合。駅を一歩降りたとたん、周辺にはしょう油と麹の香りが充満。350年の伝統を守り続けてきた麹菌が空間をただよっているありさまを連想するにつけ、野田市が歩んできた歴史の重さをひしひしと感じた。
 一行はしょう油づくりの映像を観たあとに、キッコーマン「もの知りしょう油館」を見学し、しょう油のルーツを探訪した。当日は一般客の見学も行なわれていた。話を聞くと、小学生を子に持つお母さんたち。お子さん方はちょくちょく見学に来る機会があるらしいが、親は初めて足を運んだとのこと。いろいろな味がするしょう油を試食してご満悦の様子だった。
 近代工場でしょう油づくりの説明を受けたあと、75年の歴史を誇るしょう油「御用蔵」を見学。ここは今も宮内庁に納めるしょう油を醸造しているとのことで、伝統的なしょう油醸造の技術や建設当時の年季の入った道具・装置の説明を受けた。

 

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 社会貢献事業の一環として経営されている企業病院「キッコーマン総合病院」も見学した。数ある企業病院のなかでも食品メーカーが経営する病院はここだけ。話術が巧みな久保田芳郎院長からは、「日本一美味しい病院食」へのチャレンジストーリーを聞いた。当日の昼食は、「鶏米蒸し」「秋刀魚蒲焼」「大根と紅葉麩の含ませ煮」「シイタケ旨煮」「里芋と野菜の餡かけ」「柿霙和え」「舞茸の土瓶蒸し」「五穀ごはん」「焦がし醤油の豆乳プリン」と、病院食とは思えないリッチな献立だった。
 ホンモノ会議では、カントリーライフ社のバイスプレジデント・古賀拓郎氏を講師に迎えた。同社は品質・安全性確保の最先端をゆくcGMP工場に認定されている。cGMPに求められる品質管理のあり方や人材育成などについて、米国本場の話を聞くことができた。

 


 

第5回大文字会

 ホンモノのモノづくりとは何かを考察

 ホンモノの製品づくりを目指す同社の吉岡靖雄社長は、大文字会の発起人代表を務める。同氏は、「生産地をオープンに、工場をオープンにして、消費者や事業者の見学を受け入れることのできるような仲間を、大文字焼きの火のように増やしてゆきたい」と、業界関係者に訴え続けている。同社のガラス張り経営の考え方に賛同した有志が参集し、2013年2月7日に「大文字会」が発足した。

 大文字会の第5回目の会合が8月8日、乳酸菌発酵食品の原料販売、OEM受託を行う(株)機能性食品開発研究所(本社:岡山市北区、石橋一郎社長)で開催された。今回は、同会のメンバー12人が岡山県の吉備高原にある機能性食品開発研究所の工場や研究所を見学した。各所で同社の専門スタッフによる説明が行われた。

 

 GMP視野に増設した第1工場

 (株)機能性食品開発研究所は2001年1月に設立された発酵食品のOEM受託メーカー。人や動物、植物向けに原料供給ならびにOEM受託製造を行っている。同社の賀陽工場(岡山県吉備中央町)は2012年11月、新たに設備を増設した。増設に当たっては、健康食品市場参入を加速させる大手医薬品メーカーからのオファも視野に入れ、安全・衛生面を見直し、健康食品GMPを意識したレイアウトを実現させている。

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タルロケーション管理システムとは

 機能性食品開発研究所の第2工場「21世紀の森セラー」では、主力製品である植物発酵エキスの抽出や乳酸菌の発酵・熟成を行っている。見学後、同社常務取締役の片岡孝志氏による企業紹介、生産マネージャー・河﨑悟氏によるタルロケーション管理システムを軸にした製造工程管理の説明が行われた。
 タルロケーション管理とは、作業者に的確な指示を出し、発酵・熟成過程において、指示された作業を無理や無駄なく完結させるために全工程を見える化した工程管理システム。旬の野菜や果物が個別の樽でエキス抽出される過程を可視化することで、製造工程を合理化したものだ。
 農業・生産事業マネージャーの末吉史明氏は、農業・水産分野への取り組みについて話した。同社では発酵過程で排出される残渣を植物活性剤として二次利用している。同品を使った米が「米・食味分析鑑定コンクール」国際大会において5年連続で入賞(総合部門では4年連続金賞)、ダイヤモンド褒章も受賞していることなどを紹介した。
 また、研究所主任のウリジ・デリゲン氏は、乳酸菌発酵技術の開発で大学との共同研究を進めている現状を報告した。

消費者目線こそモノづくりの原点

daimonzi53 最後に、同社社長の石橋一郎氏が、モノづくり・顧客・経営におけるホンモノとは何かについて熱弁した。企画から開発、製造までの流れを説明、商談から商品企画に至る段階に大きなエネルギーを注ぐ必要がある点を強調した。同氏、はかつてドイツの大手自動車メーカーを訪問したときの体験談に言及。商品開発から量産までの一連の作業のなかで、商品開発でボタンを掛け違えると取り返しのつかないロスが生まれることを学んだという。
 同氏は、量産段階における品質確保と監視対応について、「受け入れ時全件放射線量チェック」「タルロケーション管理システム導入による凡ミス排除と監視」「Man(人)、 Machine(設備)、Material(材料)、Method(方法)の4M管理と外注先工程管理」「年度計画に基づく安全性・重点品質特性の監視」――などの重要性を説いた。
 さらに、「安全・安心・安定性の確保を基礎とし、作用メカニズムの科学的な解明と有効性の検証を進めていく。そのためには、臨床試験による検証と美味しさの確保を追求する」とし、消費者目線に立った製造こそモノづくりの原点だとした。

 恒例の勉強会「ホンモノ会議」では、(有)健康栄養評価センターの柿野賢一代表が、消費者庁で整備が進められている新・機能性表示制度の要件であるシステマティック・レビューの手法について解説した。フリートークでは、新・機能性表示制度に関する活発な意見が交わされた。

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第6回大文字会

 大文字会の第6回目の会合が2014年11月28日、静岡に拠点を置く(株)AFC-HDアムスライフサイエンス(本社:静岡市駿河区、淺山雄彦社長)で開かれた。同会の有志13人が静岡駅前に集合。出迎えの車3台に分乗し、同社の国吉田工場へと向かった。同工場は、2011年8月に同社4番目の工場として竣工した健康補助食品GMP認証工場。

7階建ての工場には、世界遺産の「富士山」を一望できるフロアもある。当日はあいにくの雨模様で富士山を望むことができなかった。

 

 (株)AFC-HDアムスライフサイエンスは、健康食品と化粧品の企画から製造・販売支援を行う総合受託メーカー。1969年12月に設立し、2005年3月にジャスダック証券取引所に株式上場。07年には華舞を、08年にはモリヤを傘下に収めるなど、積極的な再編事業を進めてきた。工場スタッフは正社員で398名、グループ全体では1,000名を超える
 同工場は、11年8月に設立された同社で4番目の工場で、原料の受け入れから製造、試験、出荷に至るすべての工程を行う一貫型の工場だ。

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daimonzi63 大文字会では、専務取締役の西村健一氏が国吉田工場の製造工程について説明、製造・品質管理の取り組みを紹介した。また、全国で店舗販売事業を展開する(株)エーエフシー、放射性セシウム検査も可能な研究開発機関(株)日本予防医学研究所、自社スタジオでTVショッピングの企画制作を行う(株)けんこうTVなど、グループ会社の取り組みも相次いで紹介された。

 

 大文字会では毎回、「本物とは何か」をテーマにホンモノ会議を開催する。今回は「新・機能性表示制度(機能性表示食品制度)とNMCD~ガイドラインが出る前に準備しておくこと」と題して、(一社)日本健康食品・サプリメント情報センターの宇野文博理事が米国のダイエタリーサプリメント制度でスクリーニングの2次資料として利用されているデータ・ベース「NMCD(Natural Medicines Comprehensive Database)」について説明した。4月までにスタートする新制度の要件とされているシステマティック・レビューのスクリーニングなどで活用できる。

 

 


 

第7回大文字会

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 大文字会の第7回目の会合が2015年4月6日、鹿児島県日置市の(株)てまひま堂(本社:鹿児島市唐湊、吉岡靖雄社長)の日置工場で開催された。同会の有志19人が参加、12月に米国の第三者機関NSF(National Sanitation Foundation)による原材料cGMPの登録を受けたにんにく卵黄加工工場を視察した。

 大文字会が発足してから2周年となる今年は、代表発起人・吉岡社長の招待で前日に開催された同社の第14期決起会に出席した。決起会では社員・スタッフ合わせて500人の関係者が城山観光ホテルに参集、今期プロジェクトの達成を誓い合った。同社は機能性表示食品制度のスタートを一大チャンスと捉え、新製品の開発に取りかかると宣言した。

 

 13年に大文字会結成

 同社は年商約21億円の健康食品製造・販売会社。にんにく卵黄『229 55(ニンニク ゴー!ゴー!)』を主力商品とし、通販チャネルで全国展開している。同社の吉岡靖雄社長は京セラの創業者・稲盛和夫氏に私淑、独自の経営哲学に基づいてガラス張りの経営を推進している。毎年4月に本拠地の鹿児島で行う決算報告会には、テレマーケティングを担うパートも含めた全社員を招いて財務諸表を公開する。
 にんにく卵黄加工工場には一般客も事業関係者も隔たりなく招聘し、製造工程の一部始終をオープンにしている。「工場の開放は事業者の責務」が吉岡社長の口癖。生産地や工場をオープンにできるような健全な事業環境を業界にもたらしたいとのやむにやまれぬ思いから、「同じ考えの仲間を京都嵐山の大文字焼きの松明のように一灯一灯増やしていきたい」との願いを込めて「大文字会」を13年に結成し、代表発起人として製造工場の見学会を続けている。

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 14年12月にcGMP登録

 同社の日置工場は昨年12月11日、にんにく卵黄の加工工場で、米国の第三者機関NSF(National Sanitation Foundation)による原材料cGMPの登録を受けた。現在、cGMP登録工場は国内で8工場ある(15年4月現在)。 大文字会は工場の視察を終えたあと、(有)健康栄養評価センターの柿野賢一氏の司会により機能性表示食品制度に関する勉強会を開催した。テーマは「機能性表示食品制度にどう向き合うか~大文字会の試み」。
 「世界的に見て比較的しっかりした制度ができたのではないか」と新制度を評価する一方で、「(消費者にとって)GMP認証が義務化されなかったことが少し残念」「消費者教育をしっかり行う必要がある」などの課題も挙げられた。また、GMP認証を取得したら終わりではなく、そこをスタートとし、「従業員一人ひとりのレベルを上げていかなければならない」という業界側の努力目標も掲げられた。

 

 


 

第8回大文字会

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 大文字会の第8回目の会合が11月13日、「いい会社をつくりましょう」を社是とする伊那食品工業(株)(本社:長野県伊那市、井上修社長)で開催された。同社は、寒天の製造・販売で国内のシェア8割を占めるリーディングカンパニー。毎年確実に成長する「ゆっくり経営」をコンセプトに、社員を幸せにする「いい会社」としてマスメディアからも注目され、大手企業の役員・幹部らの視察が後を絶たない。年間250組の視察があるといい、当日も大文字会のほかに別の見学会が合流して賑わいを見せた。

 

伊那食品工業を視察

 大文字会一行は7時50分に同社の「かんてんぱぱガーデン」に到着、朝掃除の見学を終えた後、同社の朝礼とラジオ体操を見学した。伊那食品工業では、毎朝3分間スピーチという行事が行われている。社員が印象に残った前日の出来事を朝礼で報告する。3分といえばおよそ原稿用紙2枚分の分量。Webのニュース記事に例えれば、読者が飽きもせず、退屈もせずに一気に読みきることのできる手頃な長さと言われている。
 そのあとのラジオ体操では、大文字会の面々も一緒になって体を動かした。伊那地方の11月といえばもう肌寒い季節だが、上着を脱いで額から汗を流しているメンバーも。

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 本社屋や研究棟のある3万坪の「かんてんぱぱガーデン」では毎朝、30分間の全体清掃が行われている。樹木の剪定や草刈り、ゴミ拾いなど、社員それぞれが可能な時間を割いて自発的に参加している。このときに使用する草刈機などの用具は必要に応じて自宅に持ち帰ることもできる。道具小屋に貸出票は備えてないが、同社取締役の丸山勝治氏によれば、「これまで器具が紛失したことはない」というから驚きだ。性善説に基づいた経営の一端を垣間見た思い。

 丸山取締役から伊那食品工業の沿革について話を聞いた後、ガーデン内の寒天レストラン「さつき亭」で昼食を取った。メンバーは「かんてんぱぱ弁当」に舌鼓を打った。買物かたがた園内を回ってみたが、美術館あり、喫茶店ありと、さながら寒天の一大テーマパークをなしている。20年を経た赤松の潅木が茂るなか、年間5億円を売り上げるという売店「かんてんぱぱショップ」で土産を買った。

 午後からは「いい会社とは何か」をテーマにホンモノ会議を開催した。伊那食品工業の経営を踏まえて、参加者各自の事業運営に課題を落とし込み、その対策についてグループワークを実施した。最後に各グループでまとめを発表した。

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第9回大文字会

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 大文字会の第9回目の会合が4月4日、鹿児島で開催された。見学したのは(株)てまひま堂の日置工場。業界関係者15人が参加した。同工場の見学は第1回、7回に続きこれが3度目だが、今回は原料メーカーなど初めての参加者も多かった。工場見学の後は好例の黒豚のしゃぶしゃぶが振舞われ、見学者はてまひま堂の社員と談笑しながら舌鼓を打った。

 

「機能性表示食品制度の課題と展望」をテーマにホンモノ会議開催

 大文字会好例のホンモノ会議では、「機能性表示食品~関与成分をめぐる考え方について」とのテーマで、昨年4月にスタートした機能性表示食品制度が抱える課題と展望について討議した。(株)グローバルニュートリショングループの武田猛社長と(株)同文書院の宇野文博社長の講演の後、参加者で議論した。コーディネーターは(有)健康栄養評価センター代表の柿野賢一氏が務めた。

 武田猛氏は、受理された機能性表示食品を機能性成分やベネフィット別に分類し、「トクホを取得している企業が有利」としながらも、「努力次第では中小企業も届出は可能」と分析した。また、「企業間で届出情報に大きな差がある」「(届出情報を)一般消費者が読みこなすのは困難」と、消費者にわかりにくい届出になっている点を指摘した。
 関与成分については、現状では公開されていない分析法や規格を公表すべきとし、消費者庁の受理・非受理の判断基準も公表するよう求めた。

 宇野文博氏は、「品質の担保と作用機序に関する考察が厳しくなった」と、3月31日に改正された「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」を紹介。最終商品に同等の成分が含有されている証明が必要であることを強調した。
 届出をサポートしている立場から、届出側の問題点にも触れた。「一次スクリーニングで除外すべき論文の除外理由があいまい。除外すべきでないものを意図的に除外しているSR(システマティック・レビュー)もある」とし、消費者庁のチェックが及ばないところで杜撰な届出が行われている可能性を指摘した。
 また、「臨床試験の具体的な成果をどのような日本語で表示するかに最も時間がかかっている」とし、表示の難しさについて本音を述べた。

 柿野賢一氏は、疑義情報の傾向を紹介した。これまで、「機能性」「安全性」「表示」に関する疑義のなかで最も多いのが安全性についての疑義だという。また、受理のレベルを「非受理」「一応受理」「申し分のない受理」の3段階に分け、「受理されても疑義情報や撤回の可能性があるレベルの商品もある」とし、「一応受理」を要注意ゾーンとして注意を促した。消費者庁の担当官によって受理レベルが変わるため、届出者が翻弄されるケースもあるが、「安心して届出が受理されるレベルを基準にしてほしい」と参加者に呼びかけた。
 表示については、ガイドラインで認められていないにもかかわらず、届出者の努力と工夫で受理された機能性表示の具体例を示した。
 今後の展望として「大学や公設試などには、基礎研究を経ながら放置されたままのシーズが多く眠っている」とし、産学連携による補助金を有効に活用することで「思いもよらなかった次世代機能性関与成分が登場するのではないか」と機能性表示食品制度の可能性を示唆し、地域と連携した中小企業にもチャンスはあると結んだ。

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第10回大文字会

 大文字会は2016年10月11日、第10回目の会合を大阪で開催した。一行14人は日成興産(株)(本社:東大阪市、藤田忠社長)の生菌工場を見学。その後、大文字会で特定保健用食品(トクホ)の許可取り消し事件をテーマに議論した。

 

トクホ許可取り消し事件をテーマに「ホンモノ会議」開催

 訪問したのは、日成興産(株)の受託製造工場で、2013年に竣工した生菌生産が可能な中工場を見学した。同会のメンバー14人が参加した。
 同工場は除菌空気の流れを24時間管理し、施設内で空気が交差しないように目に見えない菌類に対する衛生管理を徹底させている。工場見学後、藤田忠社長は、同社の安全性に関する取り組みについて説明した。
 同社は「顧客の要望にはなんとしても応える」との社風を持っている。自社で動物実験を実施しており、これまでに20件以上の学会発表も行っている。

 ホンモノ会議では、消費者庁が日本サプリメント(株)の特定保健用食品(トクホ)6件について許可を取り消した問題をテーマに取り上げた。(株)同文書院の宇野文博氏は「トクホ制度に内在する諸問題」として、関与成分に関わるトクホ制度の盲点について解説した。
 (株)てまひま堂の社長・吉岡靖雄社長は、「情報開示をしないからこのような問題が起きる」とし、「弊社ではガラス張りの経営を実践しているし、金さえ儲かれば良いという商売はしないという思いでやってきた」と話した。また、「今回の問題は、業界に大きな影響を及ぼすのではないか。こういう状況を苦々しく思うか、危機と捉えるかによって経営者の資質が問われる」と業界全体に向けて警鐘を鳴らした。
 藤田社長はまず、「情けない問題だ」と苦言を述べた。「情報を隠さないということは大事。受託は黒子で表に名前が出ないが、出ないということは出る以上に責任が重いと感じている。有効成分を定量できないのならば受託として健康食品は作れないし、大問題だ」と声を大にした。

 


 

第11回大文字会

 (株)データ・マックスは2017年4月10日、「第11回大文字会“ホンモノ会議”」を鹿児島で開催した。会議のテーマは「今後の機能性表示食品の課題と展望」。関与成分検討会の報告書で示された課題や、昨年から話題を集めている特定保健用食品(トクホ)の課題について、消費者目線に立った業界のあり方などを議論した。全国から原料メーカー、受託製造会社、通販会社、食品CRO、学識経験者などの22人(16社・団体)が参加した。

 

GNGの武田氏が基調講演

 (株)グローバルニュートリショングループの武田猛社長は、「検討会が残した課題」と題して講演。「機能性関与成分における栄養成分」と「機能性関与成分が明確でない成分」の取り扱いについて説明した。同氏は糖質・糖類と、ビタミン・ミネラルの取り扱いに言及し、前者はエネルギーとされる成分以外の糖質・糖類が対象となり、後者は「今回は見送りとなった」と報告。また、機能性関与成分が明確でないエキスと分泌物(エキス等)が追加されたことで、「生薬レベルの品質保証が求められることになり、ハードルはかなり高い」と、来年度以降に施行される改正ガイドラインの難しさに触れた。さらに、既に受理された商品に用いられている成分にも影響が出るだろうと述べた。

 基調講演を受けた自由討議では、受託製造会社から「食品製造で溶出試験が必要なのか」との質問が出た。武田氏は、「検討会で業界サイドからの質問や提案がなかったため、消費者庁は業界が同意したと受け止め、それを前提に報告書が作成されたと理解している」と述べた。

食品CRO機関の苦悩

 原料メーカーからは、産地や季節に応じて関与成分が変動することから、調達が難しくなっているとの指摘があった。また、増し仕込み(5倍量)から起きる問題も踏まえて、安全性試験に相当の人と費用を注ぎ込まなければならないとの悩みが聞かれた。
 食品の臨床試験を13年にわたって手がけているというCRO機関の社長は、我が国の臨床試験の現状について興味深い話を聞かせてくれた。

 「30年前の薬学は、まず有効性だから“効くか効かないか”が第一。それに対して法的な規制がどんどん入ってきた結果、もう日本では、新薬の開発は不可能なくらいの予算がかかっている。食品はあくまで安全性が第一。機能性表示食品制度が始まって、仕事を受託する時に、顧客の優先事項は有効性だ。臨床試験のトップは臨床医。まず、臨床医がOKしなければ臨床試験はできない。
 倫理委員会があり、生物化学、薬学、農学、看護学、法学などの専門家が集まって議論して、最終的に臨床医がOKのハンコを押して初めて試験が始まる。しかし、臨床医は万能ではないので栄養学の知識はゼロに近い。そこにオブザーバーとして、私たちが専門の分野でドクターに助言するのだが、医師は先ほどの成分とかエキス抽出物とかの話に偏ってしまう。
 私たちが安全性を主張しても、顧客であるメーカーのリクエストもあるため、有効性を加味した上で倫理委員会にかけることになる。すると、どんどん医師はエキサイトして、薬の世界の話になってしまう。『ちょっと先生待ってください。今回の案件については有効性もありますが、あくまで安全性を担保しなくてはならない』と私たちが制御しても、メーカーは有効性を求めている。従って、私たちも安全性を通す必要がある。すると、試験系がどんどん複雑になってしまい、ものすごい金額になる。メーカーは売れなければ仕方ないので、有効性をアピールし続ける。そうなると、この先、臨床試験は薬並みのレベルになってしまうのではないかと危惧している」。参加者のなかには、「ここらで制度創設当初の原点に戻るべきではないか」との声もあった。