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2013年01月16日

【座談会】2012年「ヘルスケア業界」を振り返る(3)~「茶のしずく」集団訴訟

<トクホコーラは今後も増える?>
img_2.jpg  トクホはエコナ事件以降、新たな原料の認可が下りにくくなったとされ、新規原料のトクホ採用が厳しくなっている。来年以降広がるかどうかは、厳しい。新規原料が認められない現状を考えると、トクホコーラなど、飲料や鉄板商品にトクホ成分を加えて裾野を広げるしかない。

  トクホコーラはこれからも出てくるのでは?

  トクホコーラに含まれる難消化性デキストリン配合商品は、これからも増えると思う。

  本家のコカ・コーラがトクホをやるかもしれない(笑)。

  だとしたら、それはキューサイから出るかもしれない。青汁も加えて「青汁コーラ」が出たりして(笑)。
 冗談はさておき、食の安全・監視市民委員会の神山代表が言うように、「トクホコーラの出現でトクホの権威は地に堕ちた」とも言える。逆説的かもしれないが、ここでも勝利者は原料メーカーか。食品表示一元化では、もう1つ。お酒の表示。あれは財務省が握っている。財務省がやりたがらない。お酒の表示は子どもが誤飲しないように、きちんと表示しないとダメだという。
 8月には、トクホコーラをめぐって、新開発食品調査部会でゴタゴタがあったようだ。議事録のあり方について、第10回の部会で議論している。部会の議論は伏字になっているが、今以上に伏字になれば、何を言っているのかさっぱりわからなくなるだろう。議論では、「ここまで伏せなければいけないのか」といった意見もあったようだ。商品開発の秘密を守るのもいいが、出すべき情報はきちんと公開すべきではないか。

<「茶のしずく」集団訴訟は消費者無視の裁判>
  健康食品ではないが、企業のコンプライアンス面で言えば、「茶のしずく」の集団訴訟と、トクホのCMが問題視されたことが大きな話題になった。

  「茶のしずく」事件は、集団訴訟が全国で進んでいるが、原告は約1,000人に上った。被告3社は互いに責任転嫁するなど、消費者を無視した裁判が進んでいる。「茶のしずく」による小麦アレルギーは、石けんを使用しないとアレルギー数値が下がってくるので、被告3社はできるだけ問題を複雑化させ、原告の数値がなるべく低くなるように、時間を稼いでいるとしか思えない。被告3社に和解する気配はなく、「とにかく逃げ切ろう」とする意図が見え見え。
 「茶のしずく」の開発については、悠香とフェニックスで互いの主張が食い違い、どちらの主張が正しいのかわからない状況。被告3社はコンプライアンスのかけらもない、醜い主張を繰り返しているだけで、被害者の憤りは頂点に達している。

  法的な問題として、化粧品や石けんの受託企業であるフェニックスは、片山化学工業研究所が食品で使用していた加水分解コムギ末「グルパール19S」を、初めて石けんで使用した。受託企業が安全性に問題があることを「知らなかった」では済まされないのでは。

  フェニックスは、「当時における一般的な安全性の試験をしている」と裁判で言っている。最低限の安全性は確認しているそうだが。

  厚労省の審査機関は、加水分解コムギ末はこれまでも安全性が認められている成分のため、書類審査だけで医薬部外品として認めたと話している。

  加水分解コムギ末という成分名だけで審査を通過してしまった。「グルパール19S」は石けんでは初の製品であり、分子量が大きくてアレルギーになりやすいということがチェックされなかった。

  いずれにせよ、この裁判は追っていかなければならない。

<健食通販企業が多い九州マーケットの現状>
  マーケットとしては、東京の受託企業や原料メーカーの多くが、健食通販企業の多い九州に目を向けているようだ。

  九州市場を全体的に見ると、新日本製薬などの一部企業を除き、横ばい、または微減の企業が多い。だが、新しく出てきた企業は、既存の市場に割って入ってきている。九州市場は、2,000億円から3,000億円と言われているが、そのパイ自体は変わっていないと思われる。そのなかで、市場の奪い合いになっている。
 事例を挙げると、悠香は『茶のしずく』石けんで307億円の売上を記録したが、その前に固形石けんで大きな市場を占めていたのがヴァーナルだった。ヴァーナルは現在90億円に落ち込んだが、最高で331億円の市場をつくった。その市場を奪っていったのが悠香だった。
 また、やずやを例に出せば、ピーク時に年商407億円に到達した。そこから現在は270~280億円で推移している。130億円近く年商が落ちているが、その130億円の黒酢サプリメントのシェアを取ったのが、えがおだった。えがおは黒酢のサプリメントだけで、恐らく150億から160億円のシェアを握っている。大手のシェアを奪っていく中小の企業が台頭してきているという事実は、ここ数年変わりがない。大手を食う新しい企業が出てくるということは、九州の健食企業数はまだ増えており、活性化している。
 売上高が7億から20億円未満の企業が、来年いきなりブレイクするケースもあるかもしれないので、そういった企業に注目している。

(つづく)
【データ・マックス ヘルスケア事業部 取材班】

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