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2013年12月17日

「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」が発足へ~消費者庁

<20日に初会合、議論をスタート>
syouhisyatyou3.jpg 米国型の機能性表示制度を2014年度中に整備するため、消費者庁は20日、「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」の初会合を開催し、議論を開始する。来夏をめどに報告書を取りまとめる計画だ。

 同検討会は14人の委員で組織。学術・消費者団体・産業界などから、それぞれの代表が選ばれた。座長は住友病院院長で大阪大学名誉教授の松澤佑次氏が務める。松澤氏のほか、学術分野からは、帝京大学臨床研究センター長の寺本民生氏や名古屋文理大学健康生活学部フードビジネス学科教授の清水俊雄氏ら多数が参加。消費者代表として、消費生活コンサルタントの森田満樹氏や全国消費者団体連絡会事務局長の河野康子氏が参加する。

 健康食品業界の代表は、(公社)日本通信販売協会(JADMA)理事の宮島和美氏、健康食品産業協議会会長の関口洋一氏の2人。(公財)日本健康・栄養食品協会(JHNFA)は入らなかった。

 JADMAの加盟企業は、最終商品を扱う通販会社。新制度に直接関わる当事者となる。業界代表として、議論をリードできるかどうかが注目される。一方、健康食品産業協議会には8つの業界団体が加盟。複雑に思惑が交錯する8団体の要望を集約し、検討会に臨むことになる。

 検討項目は、(1)食品の新たな機能性表示制度に関する安全性確保のあり方、(2)機能性表示を行う場合に必要な科学的根拠の考え方、(3)消費者にとって誤認のない機能性表示のあり方――などを予定している。

 政府は6月14日、米国ダイエタリーサプリメント制度を参考に、機能性を表示できる仕組みを整備することを閣議決定した。対象は、健康食品をはじめとする加工食品と農林水産物。企業の自己責任により、科学的根拠に基づいて表示する制度となる。14年度中に整備する。

 閣議決定後、消費者庁は厚労省や農水省と検討を開始。消費者意向調査の実施、検討会の準備などを軸に、急ピッチで作業を進めてきた。これまで健康食品業界内では、一部勢力の利害も絡んで、「国は動いていない」という”デマ”が飛び交っていた。だが、同検討会の発足により、そうした雑音もシャットアウトされそうだ。

【検討会委員(敬称略)】
赤松利恵(お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科准教授)
梅垣敬三((独)国立健康・栄養研究所情報センター長)
大谷敏郎((独)農業・食品産業技術総合研究機構理事、食品総合研究所所長)
合田幸広(国立医薬品食品衛生研究所薬品部長)
河野康子(一般社団法人全国消費者団体連絡会事務局長)
児玉浩子(帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科教授)
相良治美(月刊「食生活」編集長)
清水俊雄(名古屋文理大学健康生活学部フードビジネス学科教授)
関口洋一(健康食品産業協議会会長)
津谷喜一郎(東京大学大学院薬学系研究科特任教授)
寺本民生(帝京大学臨床研究センター長)
松澤佑次(大阪大学名誉教授、一般財団法人住友病院院長)
宮島和美(公益社団法人日本通信販売協会理事)
森田満樹(消費生活コンサルタント)

<JHNFAは”落選”、1団体にすぎず>
【解説】
 今回の消費者庁のスピーディーな動きは、業界関係者に「驚き」をもって受け止められたようだ。内閣官房副長官の加藤勝信議員が講演で年内開催の可能性を示唆していたが、業界内では「検討会の発足はもっと先だろう」という見方が広がっていた。17日に開催告知、20日開催という”電光石火”のスケジュールも異例だ。早期に検討会を立ち上げ、「14年度中に新制度を整備する」という消費者庁の強い意志がうかがわれる。

 業界関係者が意表を突かれた背景に、これまで業界団体や業界紙が事実と異なるアナウンスを行なってきたことがある。

 健康食品産業協議会の加盟団体であるJHNFAでは、米国型制度ではなく、第三者認証制度の導入を声高に訴えてきた。また、協議会に加盟のサプリメント・エグゼクティブ会議は、日本抗加齢医学会の「新制度のガイドライン案策定」構想を支援してきた。国の動きとはまったく無関係のこうした動向に、多くの企業が振り回されてきたようだ。

 10月7日に開かれた業界団体のシンポジウムで、消費者庁の担当官が、そうした業界内の疑問を完全否定し、混乱も沈静化したかのように見える。しかし、JHNFAが10月下旬に開いたメディア懇談会で、あくまで「担当官の考え方である」と強弁するなど、火種は残っていた。

 業界紙による報道の影響も大きいようだ。企業関係者からは、「業界紙に書いているが、消費者庁はまったく動いていないのか」と不安がる声も出ていた。直近では、大手業界紙のUBMメディア(株)(健康産業新聞など発行)の情報サイト「健康メディア.COM」が12月12日付で、「・・・10月以降、レストランの食品表示偽装の騒動で、それこそ、作業が進展している様子はない」と断定的に報じている。しかし、消費者庁ではかなりのスピード感をもって、消費者意向調査の実施や検討会の準備などに取り組んできた、というのが事実だ。

 業界代表委員については、多くの関係者が予想していたように、JADMAと健康食品産業協議会に落ち着いた。一方、JHNFAが落選したことに、驚きを隠せない企業関係者も少なくない。というのも、これまでJHNFAは国の検討会の”レギュラー”だったためだ。しかし、現在JHNFAは協議会の1団体にすぎず、別枠で意見陳述する必要性は見当たらない。それ以前に、第三者認証制度をめぐる一連の騒動で、業界の信頼を失いつつある。

 同検討会は、従来の健康食品に関する検討会とはケタ違いに注目度が高い。消費者にも産業界にも利益をもたらす「フェアな制度」の整備へ向けて、真剣な議論が求められている。

【木村 祐作】

 

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